アジア系女優の起用法をめぐって物議
11月23日(金)公開の映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、韓国出身の女優クラウディア・キムが、動物に変身してしまう“血の呪い”をかけられたことによって、蛇へと姿を変える女性の役に起用されたことに、一部で批判の声が上がっている。
クラウディアが演じるのは、『ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモート卿が飼っている巨大な蛇“ナギニ”の元の姿。
この重要な役どころに、アジア系女優が起用されたことは喜ばしいことだが、「ナギニ役である必要があったのか?」「蛇に姿を変えられ、反社会的な白人男性に奴隷として60年近く拘束される女性の役をアジア系の女優に演じさせるのは、差別的では?」と苦言を呈する声が。
そういった意見に対し、原作者のJ.K.ローリングが自身の見解を述べた。
「インドネシアに伝わる神話に、“ナガ”と呼ばれる蛇に似た神話上の生き物が登場するの。ナギニという名前はそこからつけたのよ。(ナガは)羽が生えた生き物として描かれることもあれば、人間と蛇半々の生き物として描かれることもある。ちなみに、インドネシアには数百もの民族がいて、そのなかにはジャワ島人、中国人、ジャカルタ人などが含まれている。では、素敵な1日を」
ツイッターを通じて、韓国人のクラウディアがナギニ役に起用されたことを「バカげている」と批判されたJ.K.ローリング氏は、ナギニの元になった生き物がインドネシアの神話に登場するナガであると明かし、アジア系の女優がナギニ役を演じることは“間違っていない”と主張。
しかし、それでも納得のいかない人も多く、しばらくこの件をめぐる議論が続きそうだ。
ちなみに、今アメリカでは、いよいよ日本でも今週公開されるオール・アジア系キャストの異色のハリウッド映画『クレイジー・リッチ!』の大ヒットを受けて、アジア系のキャストの起用法や立ち位置をめぐって、さらなる改善を求める動きが加速している。(フロントロウ編集部)