あの傑作映画へのオマージュ
気付いた方も多いと思うが、ショーン・メンデスとゼッドがコラボした「ロスト・イン・ジャパン(リミックス)」のMVは、2004年に公開された日本が舞台のハリウッド映画『ロスト・イン・トランスレーション』へのオマージュが、全体を通してたくさん盛り込まれている。
MVの冒頭で、グラスを片手に哀愁漂う雰囲気のショーンの横に「林檎(リンゴ)ジュース」「ウィスキー(UISUKI)」という文字が描かれた看板と、そのCMの撮影を行うシーンが出てくるが、じつはこれにはちゃんとした理由が。
ソフィア・コッポラが監督を務めた『ロスト・イン・トランスレーション』は、仕事で来日したハリウッドのベテラン俳優とカメラマンの夫に付き添って来日したヒロインが異国で体験する淡い恋心を描いた作品で、主人公の俳優が来日した目的が「ウィスキーのCM撮影のため」という設定だった。
ウィスキー(今回のMVではリンゴジュース)のCM撮影を行う場面以外にも、そっくりなシーンがいくつも登場。比べてみると、シチュエーションはもちろんのこと、着ている服や背景まで忠実に再現されている。
『ロスト・イン・トランスレーション』のストーリーは、今年8月にショーンが来日した際にフロントロウがおこなったインタビューで語っていた、「『日本』が『ロスト・イン・ユア・ラブ(誰かの愛に溺れて路頭に迷う)』の比喩として使えることに気づいた。『ロスト・イン・ジャパン』は、誰かと恋に落ちて路頭に迷う曲であり、人々にとって別の惑星のような場所を舞台にした曲なんだ」という、同曲のコンセプトにも合っている。
ちなみに、MVのもとになった映画ではハリウッドのベテラン俳優を大御所俳優のビル・マーレイ、異国の地で主人公と心を通わせていくヒロインを女優のスカーレット・ヨハンソンが演じた。
意味不明な「日本語」の正体
よく見ると、MVに出てくるネオン街の看板の文字が一部描きかえられており、一見すると意味不明の日本語にも見えるのだが、じつはそこにも秘密が隠されていた。
全部ではないが、謎の日本語を英語に変換すると、いくつかはショーンの最新アルバム『ショーン・メンデス』に収録されている曲のタイトルに。
「神経質な」→「ナーヴァス(Nervous)」
「私の血で」→「イン・マイ・ブラッド(In My Blood)」
「特定の味」→「パティキュラー・テイスト(Particular Taste)」
「クイーン」→「クリーン(Queen)」
「日本で失われた」→「ロスト・イン・ジャパン(Lost In Japan)」
また最新アルバムだけでなく、なかにはショーンのデビューアルバム『イルミネイト』に収録されている大ヒット曲「マーシー(Mercy)」を意味する、「慈悲」という言葉もあった。
ショーンと恋に落ちる美女は“人気ドラマ女優”
ショーンと日本で出会い、互いに惹かれあっていく重要な役どころを演じたのは、Netflix(ネットフリックス)のオリジナルドラマ『13の理由』のジェシカ役でおなじみの女優アリーシャ・ボー。
『13の理由』への出演がきっかけで、人気若手セレブの仲間入りを果たしたアリーシャは、今後さらなる活躍が期待される注目株。
カラオケのシーンでゼッドもカメオ出演!
『ロスト・イン・トランスレーション』に出てくるアイコニックなカラオケのシーンを再現した場面で、「ロスト・イン・ジャパン(リミックス)」でコラボしたゼッドもちょこっとだけ出演。
カラオケルームに複数いる友人に交ざって、ショーンやアリーシャと一緒にはしゃぐ姿が映っているのでお見逃しなく。(フロントロウ編集部)