「ヤセるお茶」の宣伝投稿に批判
SNSやブログなどで、企業から金銭を受け取っているにも関わらず、あくまで中立的な立場を装って良い口コミや良い評価を行う「ステルスマーケティング」。
通称「ステマ」と呼ばれるこの宣伝行為は、日本でも数年前に問題になったが、アメリカでは、インターネット上で消費者自らが宣伝活動を行う機会が増加したことに伴い、2009年に連邦取引委員会(FTC)が個人による宣伝活動や口コミに関するガイドラインを改定。「商品またはサービスの推奨者と、マーケッターや広告主との間の重大な関係の有無及び金銭授受の有無などを開示する」という義務が新設された。
そのため、現在では、セレブたちがインスタグラムやツイッターなどに企業広告を投稿する際には、「#ad(広告)」などのハッシュタグをつけて、その投稿が金銭を受け取って行っている宣伝行為であるということを明示するケースがほとんどとなっている。
セレブが“おすすめ商品”として宣伝している商品として有名なのが、デトックス効果を謳ったダイエットティー。
これらお茶の効果を疑問視したイギリス出身の女優ジャミーラ・ジャミルが、セレブたちのSNS上での宣伝行為に噛みついた。
「女性はヤセているほうが美しい」という偏った美の基準に異論を唱え、「どんな体型も美しく、みんな自分の体に自信を持つべき」という“ボディ・ポジティブ”の流れを後押しするために「#I Weigh(アイ・ウェイ/私の重み)」と呼ばれる新ムーブメントを立ち上げたことでも知られる体形批判撲滅推進派のジャミーラ。
以前から、セレブたちによるダイエット関連商品の宣伝行為はファンたちにとって悪影響であると指摘してきた彼女は、長女カルチャーちゃんの出産からわずか4カ月ほどで産前のスリム体形を取り戻せたのはデトックス効果のあるお茶のおかげだと説明する動画を投稿したカーディ・Bを名指しにして辛口な持論を展開した。
下着姿で動画に登場したカーディは「Teami(ティーミ)」と呼ばれる、お通じを良くする効果を謳った商品が産後ダイエットをサポートしてくれたとコメント。「食欲を抑えて、新陳代謝をアップしてくれる」、「チーズバーガーやスナック菓子を食べることもあるけど、ティーミのおかげでこのボディ」などと紹介した。
カーディの投稿には「#ad」のハッシュタグはつけられていなかったものの、販売元のアカウントがタグづけされ、ブランドと提携して行われた投稿であることが明らかだったため悪質なステマとはみなされないが、ジャミーラは、カーディのように大きな影響力をもつ人物が科学的な根拠が証明されていないダイエットティーを世の女性に薦めるのは危険だと批判。ツイッターを通じてこう警笛を鳴らした。
「ナンセンスな下剤“デトックス”ティーの宣伝にカーディ・Bが起用されたわ。彼女みたいに下剤ティーを宣伝しているセレブたちは、宣伝を真に受けてこの商品を手にしてしまった女性たちのように、みんな公の場で排便を漏らしてしまえばいいのよ。セレブたちはみんな、実際には、こんな製品なんて使っていないわ。お金のために“おすすめ”してるだけ」
さらに、過去にデトックスティーを使ったことがあるという自身の経験を踏まえて「食欲を抑えたいなら、こんなお茶を飲むよりも、緑黄色野菜を食べたり栄養たっぷりの野菜スープを飲んだほうがいい。必要なのは、一日中お腹を下す羽目になったり、長期的にみると結局便秘に悩まされたりしてしまうような怪しいお茶じゃなくて、食物繊維よ! 」と続けたジャミーラは、「栄養や宣伝倫理に関する知識を持たない女性からのアドバイスは信じるべきじゃない。健康になりたいなら専門のトレーナーや医師に相談するべきよ」とフォロワーたちに忠告した。
カーディが独特すぎる反応
インスタグラム上でこのジャミーラの痛烈な批判に関する記事を目にしたカーディは、すかさず”カーディ節”をさく裂させてこんな風にコメント。
「私は絶対お漏らしなんかしないわ。だって、公衆トイレなんてどこにでもあるし、困ったらその辺の“茂み”に駆け込めばいいんだから」
このカーディの発言に自身の主張を茶化されたと感じたジャミーラは、「そうね、彼女は絶対にお漏らしなんかしないわよね。でもそれは茂みに駆け込んだりするからじゃなくて、自分が宣伝している商品を飲んだことが無いからよ。だって動画の中で何度もカップに書かれた商品名をチェックしてたじゃない。名前すら知らないっていう証拠よ」と嫌味で応戦。闘争心を剥き出しにした。
ジャミーラは、別の投稿では「私は、女性たちが社会に受け入れられるためには、まるで人形のように小さくてスリムな体形でいなくちゃいけないという悪しき風潮を押しつけようとする人たちへの批判を止めないわ」、「ファンたちにヤセろというセレブは、ファンのことを愛してない。それって、ファンたちの心の健康や自己評価なんて気にもしてないっていうのと同じことだもの」とコメントしており、今後もセレブたちのダイエット関連商品のステマについて容赦せずに批判していくと宣言している。(フロントロウ編集部)