米VOGUEの編集長を務めるアナ・ウィンターと言えば、現代ファンション界において最も実権を握る人物のひとり。
確かな審美眼でファッション界の“絶対的女王”の座に君臨し続けるアナが、2019年の春夏コレクションを振り返った動画インタビューの中で、2019年に着たらもう“完全にアウト”なトレンドを断言した。
アナが「もはや完全に時代遅れ」と呼んだのは肌を露出したり、体のラインを見せつけるようなタイトなフィットの洋服。いわゆる男性に媚びるような“オンナ”を全面的にアピールしたファッションはもう古いと言い切った。
インタビューの中でアナは、「必要以上にセクシーな体にぴったりと沿ったシルエットや『私を見て!』と言わんばかりのファッションはもう古いわね」とバッサリ。
さらに、ただオンナらしさをアピールするだけのファッションに別れを告げる代わりに、これからは、2018年にSalvatore Ferragamo(サルヴァトーレ・フェラガモ)のクリエイティブ・ディレクターに就任したポール・アンドリューや、Burberry(バーバリー)の新チーフ・クリエイティブ・オフィサーとなったリカルド・ティッシらが打ち出しているような、より知的で洗練された“強い女性像”を表現した洋服が流行の中心となるだろうと語った。
「これからは、きちんと仕事をして、毎日会社に行っているような大人の女性を意識したファッションが主流になるわ」と予測したアナ。
ファッションだけでなく社会情勢にも目を向け、広い視野から最先端の流行を見極めて発信しているアナのこの発言は、世界中で活性化しているフェミニズム運動や「#Me Too」などに代表されるセクハラ撲滅運動の影響を考慮に入れたうえでのもの。
アナの予想が正しければ、2019年以降は、男ウケを狙うよりも、ファッションを通じて「自分の未来は自分で切り開く」という強い意志を表現する女性こそが“真のおしゃれ達人”と認定される時代が到来しそうだ。(フロントロウ編集部)