最高峰の映画の祭典アカデミー賞。この祭典で今年もあることが話題になっている。それは、監督賞ノミネーションに女性がいないこと。
アカデミー賞は、1929年に始まり今年で91回目になる長い歴史を持つ映画の祭典。しかし91年の歴史の中で女性監督がノミネートされた数は5回。そして賞を「受賞」したのは、なんとたったの1回。
そんな女性監督が活躍できない背景もあり、昨年のゴールデングローブ授賞式で、監督賞発表のプレゼンターを務めたナタリー・ポートマンが、「こちらがすべて男性の候補者の方々です」と発言し、男性しかいないノミネーションリストを秀逸なやり方で批判。ナタリーは多くの称賛を浴びた。
今年もアカデミー監督賞のノミネーション発表に注目が集まっていたが、今回もまた、そのすべてが男性という結果に。
2018年も数多くの女性監督作がリリースされた。例えばリン・ラムジー監督作『ビューティフル・デイ』は、カンヌ映画祭に出品された当時未完成だったにもかかわらず最優秀作品賞にノミネートされ、最優秀脚本賞と主演男優賞を獲得。ほかにも、ミミ・レダーの『ビリーブ 未来への大逆転』やカリン・クサマの『デストロイヤー』など、高評価な女性監督作品は存在するが、今年もアカデミー賞では女性監督の監督賞ノミネートはなかった。
このノミネーションを受けて、映画業界における男女公平を目指す組織Women in Filmの代表は声明を公表した。
「今回でのアカデミー賞のノミネートにおいて、映画業界における男女平等のためにまだまだやることがあると感じています。特に女性監督は、今年も多くの非凡で素晴らしい作品を送りだしたにも関わらず、アカデミー賞関係者によってすべて忘れ去られたようです」
今年のアカデミー監督賞のノミネート者は以下のとおり。
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA/ローマ』
アダム・マッケイ 『バイス』
スパイク・リー 『ブラック・クランズマン』
パヴェウ・パヴリコフスキ 『COLD WAR あの歌、2つの心』
ヨルゴス・ランティモス 『女王陛下のお気に入り』
(フロントロウ編集部)