米現地時間2月10日(日本時間2月11日)に、米ロサンゼルスのステイプルズ・センターで第61回グラミー賞授賞式が開催。今年も豪華アーティストが集結した授賞式では一体どんなことが起きた?
カイリー&トラヴィスがレッドカーペットに大遅刻
リアリティスター兼実業家のカイリー・ジェンナーと、惜しくも受賞はならなかったものの、今回のグラミー賞で3部門でノミネートされていたラッパーのトラヴィス・スコットが、レッドカーペットに大遅刻。2人が到着した時には、すでに各局の生中継のカメラやインタビュアーは撤退していたため、ツーショットでのインタビューは叶わなかった。
遅刻の理由は明らかにされていないが、カイリーの第2子妊娠疑惑や、先日行なわれたスーパーボウルのハーフタイムショーの舞台裏でトラヴィスがカイリーにプロポーズしたというウワサについてあれこれ聞かれるのを避けるために、“わざと遅刻した”という見方が強い。
主要部門2冠の異色ラッパーが不在
グラミー賞で“ヒップホップが過小評価されている”という世論の影響もあってか、今年は主要部門である「年間最優秀楽曲」と「年間最優秀レコード」の2部門で、ラッパーのチャイルディッシュ・ガンビーノが受賞した。しかし、グラミー史上初めてラップソングが年間最優秀楽曲に輝くという快挙を成し遂げたチャイルディッシュは、まさかの授賞式を欠席。よくあるビデオレターなどもなく、主要4部門のうち2部門を制覇したアーティストが“不在”という異例の事態となった。
ちなみに、ドナルド・グローバー名義で俳優として活動するチャイルディッシュは、昨年末に最終公演を迎えた「ディス・イズ・アメリカ・ツアー」をもって、“チャイルディッシュ・ガンビーノ”としての活動を引退することを表明している。
カミラのパフォーマンスに政治的メッセージ
残念ながら今回は受賞を逃したシンガーのカミラ・カベロが、オープニングパフォーマンスで自身の大ヒット曲「ハバナ(Havana)」をラテンシンガーのリッキー・マーティンとJ.バルヴィンと一緒に披露。
パフォーマンスを行なった3人全員が“ラテン系”という共通点から、セットのベンチに座っている人が持っていた新聞に「壁ではなく、橋を作ろう」という、ドナルド・トランプ米大統領が推し進める「国境の壁建設計画」を意識した言葉が書かれていた。
元ファーストレディがスポットライトを独占
バラク・オバマ元米大統領の妻ミシェル・オバマ夫人が、シンガーのレディー・ガガやジェニファー・ロペス、女優のジェイダ・ピンケット・スミスを引き連れてサプライズ登場。ホワイトハウスを去ってから約2年が経過した今もなお、“国民のお母さん”的な存在として愛されるミシェル夫人の姿を見て、なかには目に涙を浮かべるセレブもいた。
Aロッドが恋人に羨望の眼差し
もはやアワードの恒例行事となりつつある、MLBの元スター選手アレックス・ロドリゲスが、恋人のジェニファー・ロペスのパフォーマンスを「羨望の眼差しで見つめる」という図。
これまでにもたびたびアレックスが必死に動画を撮影する姿などが目撃されてきたが、今回の授賞式でも、アレックスはジェニファーがパフォーマンスを行なっている最中、真剣な顔で曲にのせて体を揺らすなど、期待を裏切らないリアクションを見せてくれた。
This JLo performance is one of the weirdest things I’ve ever witnessed, made more apparent by ARod’s face #grammys pic.twitter.com/Vqd1FFKyl4
— Michelle Collins (@michcoll) 2019年2月11日
カーディが受賞スピーチで“マリファナジョーク”
女性として初めて「最優秀ラップ・アルバム」を受賞したラッパーのカーディ・Bが、受賞スピーチの際に緊張と興奮のあまり、「ごめんなさい。でも。ウーーー。信じられないぐらい緊張してる。(緊張しないために)マリファナを吸いはじめる必要があるかも」と、“マリファナジョーク”を飛ばし、会場全体を爆笑の渦に包み込んだ。
また、昨年末に「離婚宣言」をしたはずの夫でラップグループ「ミーゴス」のメンバー、オフセットを連れてステージに上がったカーディは、受賞スピーチを行なっている最中、隣でその様子をずっと見守っていたオフセットに向かって、「 夫よ、ありがとう。あー、でもマジであなたがあの時『君は子供を産んで、さらにこのアルバムを完成させるんだ』って言ってくれたおかげよ」と、感謝の言葉を口にした。
スタッフの男性が“チラ見え”
スタッフの男性が舞台袖からうっかり“チラ見え”してしまうという、ありがちなハプニングが今年も発生。ほんの一瞬の出来事だったが、目ざとい視聴者に気づかれてしまい、その瞬間を収めた映像がネット上に瞬く間に拡散してしまった。
Me in literally any public setting pic.twitter.com/Upj369BFyx
— Dave Itzkoff (@ditzkoff) 2019年2月11日
ポスト・マローン×レッチリが異色のコラボ
ラッパーのポスト・マローンと、今年8月に開催される音楽フェス「サマソニ(Summer Sonic)」でヘッドライナーを務める予定のロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズという異色の組み合わせによる、一夜限りの夢のステージが実現。じつは、ポストは高校時代にヘヴィメタルバンドで活動しており、過去にエアロスミスとも共演したことがある。
ドレイクの受賞スピーチが強制終了
「最優秀ラップ・ソング」の栄冠を手にしたラッパーのドレイクの受賞スピーチが、途中で強制終了。まだ話している最中だったにもかかわらず、そのままCM休憩に入ってしまった。
じつは、ドレイクはその直前まで、「賞の受賞者を決める奴らは俺たちの言いたいことを理解していない」「みんなが君の曲を歌ったり、お金を払って君のコンサートを見に来たりしてくれれば、これ(賞)は必要ない。それだけで君は勝者だ」といった、グラミー賞を軽視するかのような発言をしていた。そのため、意図的に強制終了させられた可能性も考えられる。
授賞式欠席のアリアナが「ファック」
授賞式を仕切るプロデューサーとモメたことが原因で、パフォーマンスだけでなく授賞式への出席そのものを辞退したシンガーのアリアナ・グランデが、昨年急逝した元恋人でラッパーのマック・ミラーが「最優秀ラップ・アルバム」の受賞を逃したことを受けて、ツイッターに「ファック」「ゴミね」「本当にクソみたい」といった汚い言葉を次々と投稿。
しかし、さすがにマズイと感じたのか、アリアナは速攻でそれらのツイートを削除。続けて、マックのかわりに受賞したのがカーディ・Bだったことに触れ、「(さっきのツイートは)彼女とはまったく無関係よ。彼女が受賞できて良かった。約束する。ごめんなさい」「彼女に対して言った言葉でも、そういう意味でもないの。みんな、わかってくれるよね」と投稿し、火消しに走った。
カーディのダイヤモンドのネックレスが落下
大ヒット曲「マネー(Money)」のパフォーマンスの最中に、カーディの首からダイアモンドのネックレスが落下。恐らく演出ではなく、アクシデントで落ちてしまったのだと思うが、カーディは高価なネックレスの行方に気を取られることなく、パフォーマンスを続行した。
最優秀新人賞に輝いたデュアが大粒の涙
8人いる候補者のなかから見事「最優秀新人賞」に選ばれたのは、ファッションアイコンとしても注目を集めるデュア・リパ。自身の名前が読み上げられた瞬間、目から大粒の涙をこぼしたデュアは、受賞スピーチの第一声で「素晴らしい女性アーティストたちとともにノミネートされたことを光栄に思っています」と、ほかの女性アーティストたちへの敬意を表した。
(フロントロウ編集部)