被害者のジャシーと容疑者に“接点”
米現地時間1月29日、大ヒットドラマ『Empire 成功の代償』でジャマルを演じる俳優兼シンガーのジャシー・スモレットが、シカゴにある自宅から出て来たところを2人組の男に襲撃され、顔を強く殴るなどの暴行を加えられたうえに、首に縄をかけられて謎の液体を浴びせられた事件に、驚きの疑惑が浮上している。
被害者であるジャシーが、被害にあった当時、犯人の男たちから同性愛者差別的な表現や、Nワードと言われる黒人に対する差別用語を使って、人種差別的な暴言を吐かれたと主張していたことから、「ヘイトクライム」を視野に入れた捜査が行われていたこの事件。
しかし、先週水曜日に容疑者として警察に身柄を拘束されたナイジェリア出身の兄弟2人のうちどちらかが、過去にエキストラとして『Empire 成功の代償』に出演していたと報じられたことで、徐々に雲行きが怪しくなってきた。
米TMZによると、当初、ジャシーは警察からの事情聴取で犯人が捕まったら訴状に署名することに同意していたというが、いざ容疑者が特定され、面識のある人物の犯行であったことを知ると、容疑者への同情からか署名することを拒否。
そのことが関係しているかどうかはわからないが、その後、容疑者の男2人は身柄の拘束を解かれ、現在は警察の厳重な監視下のもと、シカゴ市内で日常生活を送っているという。
また、関係者が米CNNに語った話から、容疑者の男2人が今回の事件はジャシーによる自作自演で、「金で雇われて犯行に及んだ」と主張していることもわかっており、もし仮にそれが事実であった場合、ジャシーは“被害者”から一転“被疑者”に立場が入れ替わることに。
ジャシー側は疑惑を完全否定
そんななか、つい先日シカゴ警察の広報が声明文を発表し、さらなる捜査を必要とすることとなったため、容疑者とされる男性2人を釈放したことや、彼らの証言がきっかけで捜査方針に大きな転換があったことを報告。
さらに、ジャシーの自作自演を疑う一連の報道について、公式に発表されている情報以外は「否定も肯定もコメントもできない」としたうえで、被害者であるジャシーに再び事情聴取を行なう予定であると明かした。
一方のジャシーは、弁護士を通じて自身にかけられた疑いを全面否定。
「ヘイトクライムの被害者として警察の捜査にも率先して協力するなか、裏で加害者と通じていたという報道が出ていることに、ジャシーは怒りと深い悲しみを感じています。自作自演の疑いをかけられたことによって、ジャシーはいわれのない汚名を着せられました。(ジャシーをめぐる疑惑は)事実とはまったく異なるもので、このような主張をする者は嘘つき以外の何者でもありません」
続けて、容疑者の男2人と“面識があった”という報道について、「容疑者の1人は、ジャシーがかつてミュージックビデオの撮影前に体を鍛えるために、短期間のあいだ雇っていたパーソナルトレーナーでした」と認めたうえで、「この人物がジャシーを標的にした犯罪を実行したことや、彼に関して事実と異なる証言をしたことに心底驚いています」と、改めて事件への関与を強く否定した。(フロントロウ編集部)