「口パク」を嘲笑される
先日、コーチェラ・フェスティバル(Coachella Valley Music and Arts Festival)(以下コーチェラ)でヘッドライナーを務めた後輩シンガーのアリアナ・グランデの公演にサプライズ登場し、2017年夏に休養に入って以来初となる、約2年ぶりのステージに立ったジャスティン・ビーバー。
このニュースは、ジャスティンの音楽活動への本格復帰を首を長くして待つ世界中のファンたちにとって、この上ない朗報となったが、一部では、パフォーマンス時にジャスティンがバッキングトラック(事前にレコーディングされたボーカルが収録された音源)に合わせて歌唱していたことで、彼が「口パクをした」と指摘する声も上がっていた。
この件について取り上げた米E!ニュースの番組『ナイトリー・ポップ(Nightly Pop)』の中で、司会を務める女性レポーターのモーガン・スチュワートが「ファンたちは2年間もの長い間、ジャスティン・ビーバーがステージ上で歌うのを心待ちにしていました。彼の歌声はこれまでよりも格段に素晴らしいものでした」と皮肉たっぷりに、ジャスティンが歌い始めのタイミングを逃し、バックトラックに収められたボーカルが先に流れてしまうというハプニングが起きた場面の動画を紹介。
その後も、ほかの番組出演者たちと一緒になり、「これはヒドすぎる! 」、「でもジャスティンは最近色々大変みたいだから、口パクしてもしょうがないってことで」、「少なくとも髪を切ってくれて良かったわね」、「新アルバムを出すって宣言してたけど…また彼が“口パクした”歌を聴くのが楽しみだよ」などと面白おかしくこき下ろした。
あまりの侮辱にジャスティンのファンたちからは批判の声が殺到。そして、これがジャスティンの耳にも届くと、本人がツイッターを通じて、モーガンに宛てて怒りのメッセージを連投した。
ジャスティンが怒りの反論
モーガンに宛て、ジャスティンはこんな風に怒りを爆発させた。
フロントロウが全文訳で紹介。
モーガン・スチュワートへ。ちょうど今、あんたが僕を口パクしたってボロボロにけなしてる動画を見たよ。スタッフたちが音源を流してくれて、僕はそれに乗せて歌っただけだ。あんたがどうして他人を中傷するために時間を割いてるのかは知らないけど、学校でいじめをして子供たちを自殺に追い込んでるのは、あんたみたいな人たちだ。
モーガン・スチュワート、あんたが他人を嘲笑するのに使っている時間の半分でも、誰かを誉め称えるのに使ったら、どれだけポジティブなエネルギーを生み出せるか想像してみなよ。悲しいのは、あんたが世の中に違いを生み出せるだけの影響力を持っているのに、それを正しく使おうとしていないってことだ。
あんたは、ポジティブな変化を生む代わりに、他人を侮辱してる。僕が久しぶりにあのステージに立ち、自分が一番好きなことができたことで、どれだけワクワクしたり喜びを感じたかを考えてみてくれよ。たいていのカメオ出演者(※)がそうするように、僕もバックトラックの音源にのせて歌ったよ。それは普通のことだ。
※ちらっとだけ出演するゲストパフォーマー。
世間から受け入れられている、愛されていると人々に感じさせる代わりに、あんたは誰かの揚げ足を取り、こき下ろすネタを探してる。世界にはもう十分すぎるほどそんなことが溢れているっていうのに…。どんな事柄だって誰だって、ネガティブな中傷の種になるんだ。
一体いつになったら、僕たちは、お互いの心を引き裂く代わりに、お互いにとってプラスになる行動をすることに喜びを見出せるようになれるんだろう。
アリアナもジャスティンを援護
ジャスティンの怒りと悲しみのこもったツイートに、自身の公演にジャスティンを召喚したアリアナも、ジャスティンを援護するコメントを発信した。
ジャスティンの出演が決まったのは公演が始まる10分前のことだった。だからサウンドチェックもしていなければ、リハーサルもしなかった。あなた(ジャスティン)はほかのカメオ出演者たちと同じように、バックトラックに合わせて歌ったわ。人々はヒマを持て余してるだけ。みんな、世間からつねにじっと観察されている立場の人間のツラさなんてわからないのよ。世界はあなたをもう1度ステージに迎えられて幸せだったわ
あなたのファンも仲間たちも、あなたが戻って来るのを心待ちにしてる。みんなあなたがあんなふうに笑うのを見て、すごく幸せな気持ちになったわ。あなたの気持ちは決して誰にも分かってもらえないかもしれない。でも、それは仕方ないことなのかも。どうか、自分を労わって。音楽を作って。あなたは愛されてる。
さらにアリアナは、「友だちの素晴らしい時間を台無しにする人たちは許せない」とジャスティンに励ましのメッセージを送った理由を説明していた。
ジャスティンのアリアナのコーチェラ公演への参加は“ヤラセ”ではなく、正真正銘のサプライズだったようで、用意されていたのがバックトラック音源しかなかったということもあり、結果的に口パクだと難癖をつけられてしまうことになったが、ジャスティンは自分に舞い降りて来た大役を一生懸命こなしただけだった。
今回は、人気番組を通じて自身を嘲笑ったモーガンに宛てて怒りを爆発させたジャスティンだが、その言葉は、彼女1人にだけ向けられたものではなく、これまで彼を散々こき下ろしてきたすべてのタブロイドやネット上のヘイターたちに向けて発せられたもののようにも聞こえる。(フロントロウ編集部)