「助けを求めることは人を弱くしない」
ヒット曲「バッド・ガイ」などで大ブレイク中のビリー・アイリッシュ。独創的なアイディアと唯一無二の歌声で業界人からのラブコールが止まらないビリーは、17歳ながら、社会に根強く残る固定概念に苦言を呈する歌詞や発言が、多くの人々を勇気づけている。
そんなビリーが、「シーズ・ジ・オークワード(Seize The Awkward)」という自殺防止団体のキャンペーンに参加。そこで、メンタルヘルスについてパワフルなメッセージを発信した。
過去に自己嫌悪に苦しんでいた時期があったビリーは、「メンタルヘルスって他人事に聞こえがちだけど、それってまったく違くて。私だって今でも、大丈夫でいられるように学んでいる途中だし」と、身近に潜むメンタルヘルスの恐怖を語った。
そんなビリーが、メンタルヘルスを抱える人々に向けて、そしてメンタルヘルスを抱える人が近くにいる人々に向けて、メンタルヘルスに向き合うアドバイスした。
「助けを求めることで人は弱くならない。友達に話すことや、セラピスに会いに行くことであなたが弱い者になるわけじゃない。人に助けを求めて弱い者扱いされると考えるべきではないし、誰かに助けを求められるようにならなきゃいけない。
助けを必要としている人が回りにいるなら、みんなが手を差し伸べなきゃいけない。こういう会話って、はじめから超シリアスにならなくていいと思う。『気分はどう?』とか『大丈夫?』とか、それだけ聞けばいい。『大丈夫』って返されても、『本当に?本当に大丈夫?』って質問して。時には何も言わなくてもいいかもしれない。理解してもらえるように、向こうから話しかけられないかもしれないけど、ハグのひとつや手を取り合うことで救われる人がいると思う。
私が言いたいのは、耳を傾けるべきだということ。話を聞くこと。私は私のやり方で頑張っているし、プロでもなんでもないから自分でも何をしているのかわかんないけど…。私は(辛い状況を)見てきたし、経験してきたからこそ、少しの心の拠り所が大きな意味を持つと思っている。だってあなたはその人に何が起きているのかわからないし、一緒にいる時でもその人の心に何かが起きているのかもしれない。私がそうだった。でも、(声をかけてくれる)特定の人がいて、一番必要な時に、愛してるって、あなたのこと考えてるってメッセージを送ってくれた。そういう言葉って、当事者にとって本当に意味がある」
メンタルヘルスに苦しんでいるからこそ、助けを求めること、それに苦しんでいることを知っているからこそ、声をかけて耳を傾けること、お互いができる小さな勇気が、大きな成果につながることを語った。
(フロントロウ編集部)