肝心の「アレ」が酷似
イギリス王室のメーガン妃が、英版Vogueの9月号で同誌史上初の試みであるゲストエディターとして迎えられ、表紙モデルのセレクトからカメラマンの採用インタビューなど雑誌を作るうえでの一連の作業に携わり手腕を振るったことが話題になっているが、メーガン妃渾身のこの1冊に「パクリ疑惑」が浮上している。
「Forces for Change (変革への力)」と題された同号の表紙には、メーガン妃自らが選んだ、世界の変革に携わる15人の女性をフィーチャー。女性たちのモノクロの写真が並ぶ表紙には、1つだけ写真の無い鏡のスペースが設けられ、雑誌を手にする読者が写し出されるというユニークな“仕掛け”も施された。
しかし、同号の表紙を見た一部の人々からは、“変革をリードする女性たち”を特集するというコンセプトと、彼女たちの顔写真を並べた表紙のデザインが、メーガン妃が過去に共同著者に名を連ねたある本にそっくりだとの指摘が。
その1冊とは、メーガン妃がまだ女優メーガン・マークルとして活動していた時代に執筆したエッセイが収録された『The Game Changers: Success Secrets From 40 Women At The Top: How To Become A Fearless, Fabulous Girl Boss(ザ・ゲーム・チェンジャーズ:頂点に立つ女性40人の成功の秘訣 恐れ知らずのガールボスになる方法)』(以下『The Game Changers』)という書籍。
ジャーナリストのサマンサ・ブレットと編集者のステフ・アダムスが監修し、2017年に出版された同書の中で、メーガン妃は、女優のグウィネス・パルトロウ、セレブ御用達スタイリストのレイチェル・ゾー、モデルのエル・マクファーソンらとともに成功の秘訣や感銘を与えるエピソードなどを披露している。
「パクリ元」とされる本の著者がコメント
メーガン妃がゲスト編集を担当した英Vogueと『The Game Changers』は、モノクロの写真を並べた表紙が確かにかなり似ているほか、タイトルに使われた「Change」、「Changers」という言葉もほぼ一致。
世間から指摘が相次いでいることについて、『The Game Changers』の著者の1人であるブレット氏は、初めて英Vogueの表紙を見たとき、正直、一瞬たじろいだと英The Daily Mailに告白。「もし疑惑が本当なら」と仮定して、メーガン妃の決断をチクリと皮肉った。
「メーガン妃が私たちの著書のコンセプトを気に入ってくれたということは、非常に喜ばしいことです。私はメーガン妃が大好きで大ファンですから。でも、もしも、人々が私たちに警告している疑惑が本当なら、極めて残念です」
オーストラリアを拠点に活動するジャーナリストのサマンサ・ブレット氏。今回の件で、複数のメディアの取材に応えている。
英王室関係者が発表した英Vogue9月号の説明には、「障壁を打破することに恐れをなさない、草分け的な変革者たちが集結した特集」との文言が。
これに対し、先出の『The Game Changers』の推薦文にも「世界に変化をもたらす恐れをなさない、草分け的な女性たちにまつわる本」との文言が含まれている。
特集自体のコンセプトやモノクロ写真を並べるという表紙のデザイン、文言のチョイスなどは、とくに目新しいものではなく、ほかにも同じような仕様の雑誌や書籍はいくらでも存在しそうだが、メーガン妃が過去に『The Game Changers』にエッセイを提供するという形で携わっていることなどから考えると、単なる偶然の一致とは考え難いが、果たして?
自ら志願して「ゲストエディター」に
当初は、英Vogueのエドワード・エニンフル編集長から、ファッション雑誌にとって1年のうちで最も重要な号である9月号の表紙に登場して欲しいと依頼を受けたメーガン妃。しかし、これを断った彼女は、その代わりに自らゲストエディターとして同号の制作に参加したいと志願していた。
その経緯について、メーガン妃はエディターズ・レターの中で「『エドワード、表紙に登場する代わりに、私がゲストエディターとして9月号に携わらせていただくというアイディアについてどう思いますか?』という質問をする勇気が持てるまで、何度もメールの文章を書いたり消したりしました」と恐れ多いと感じながらも、勇気を出してゲストエディターをやりたいと申し出たことを明かしている。
エニンフル編集長はもちろん、メーガン妃のアイディアに賛成。メーガン妃が表紙に登場するのではなく、ゲスト編集者となった経緯について「私たちは当初、メーガン妃が表紙を飾るか飾らないか検討していました。最終的に、メーガン妃はこのプロジェクトで表紙を飾ってしまうと高慢に写ると感じ、代わりに、自身が尊敬する女性を特集することに決めました」と説明している。
メーガン妃は同号の編集に7カ月もの時間を費やしたと言われている。(フロントロウ編集部)