テイラー・スウィフトが、前所属先のレコードレーベルが買収されたことにより、“因縁の相手”である敏腕マネージャーのスクーター・ブラウンの手に原盤権が渡った過去のアルバム6作に関して、レコーディングをし直す計画があることを明かした。(フロントロウ編集部)

過去のアルバムを「再録」する計画に言及

 テイラー・スウィフトは、デビューから2018年まで所属していたレコードレーベルが“ジャスティン・ビーバーの恩師”として知られる敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン率いるイサカ・ホールディングスに約325億円(300万ドル)買収され、それまでにリリースした楽曲の原盤権がスクーターの手に渡ったことに対して7月頭に怒りの声明を発表

 “因縁の相手”であるスクーターが自分が精魂込めて創り上げた作品を思うがままにできる権利を得たという想定外の事態に憤慨したテイラーは、声明の中でスクーターによる原盤権の所有を「最悪な悪夢」と呼び、作り手である自分に「原盤権を手にする機会を与えてくれなかった」としてビッグマシン・レコーズのスコット・ボルチェッタCEOを厳しく非難した。

画像: 左:シンガーのジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらのマネージメントを手がける敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン。右:当時15歳だったテイラーの才能に目をつけ、アーティスト契約を結んだビッグマシン・レコーズのスコット・ボルチェッタCEO。「権利を手にする機会を与えられなかった」とするテイラーの主張を真っ向から反論している。

左:シンガーのジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらのマネージメントを手がける敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン。右:当時15歳だったテイラーの才能に目をつけ、アーティスト契約を結んだビッグマシン・レコーズのスコット・ボルチェッタCEO。「権利を手にする機会を与えられなかった」とするテイラーの主張を真っ向から反論している。

 第一線で活躍するアーティストたちの意見も真っ二つに分かれるなど、音楽業界を揺るがす一大騒動へと発展した告発から約1カ月半、レーベル移籍後初となるアルバム『ラヴァー(Lover)』のリリースを8月23日に控えたテイラーが、過去の楽曲を全てレコーディングし直す意志を明かして世間をざわつかせている。


インタビューで「再録計画」を認める

 8月25日に全編が放送される予定の米CBS Sunday Morningとのインタビューで、過去の楽曲を再録する意志があるかどうかを尋ねられたテイラーは、「ええ、あるわ」と回答。インタビュアーから「そんな計画があるんですか? 」と再確認されたテイラーは、「ええ、もちろんよ」ときっぱりと答えた。

画像: インタビューで「再録計画」を認める

 これまで騒動については口をづぐんできたテイラーだが、同インタビューでは、スクーターやボルチェッタCEOと対立することとなった一件から学んだことについても言及しているという。


再録した楽曲をリリースするのは難しい?

 じつは、過去の楽曲をすべてレコーディングし直すというアイディアについては、買収騒動が勃発した直後、テイラーの主張に支持を示したセレブの1人である先輩シンガーのケリー・クラークソンが、彼女に宛ててツイッターを通じて再録をアドバイスしていた

画像: シンガーのケリー・クラークソン。

シンガーのケリー・クラークソン。

テイラーへ。ちょっと思ったんだけど、あなたが原盤を持っていない全ての過去の作品を当時とまったく同じようにレコーディングし直してリリースするのはどう? 新たなアートワークをつけたり、何かしらの特典をつければ、ファンたちは古いバージョンを買わなくなるわ。もしそうなったら、私もすべての新録版を買って証明してあげる」

 このケリーの提案に、テイラーの多くのファンたちも賛同。テイラーは公にはリアクションを示さなかったものの、水面下ではしっかりと再録の可能性について検討していたよう。

 しかし、音楽業界の契約事に精通した専門家は、テイラーが過去の楽曲をレコーディングし直して発表するという試みを実現するのは「不可能だろう」と推測している。

 この専門家は米Paige Sixに「契約の都合上、テイラーは過去曲を再レコーディングすることは許可されていません。もしできるとしたら、歌詞を変更するということくらいでしょうか。でも、それも契約上はできないことになっているはずです。もしできたとしても、歌詞を変えただけの昔の曲なんて誰も欲しがらないでしょう」と分析。

 さらに、18年間にもおよぶレコードレーベルとの争いの中で、自身の過去の楽曲をすべて録音しなおすという異例の手段に出たシンガーの故プリンスの一件を考慮し、ほとんどの音楽レーベルはアーティストたちとの契約に再録に関してより厳しいルールを含めるようになったとも解説した。

画像: シンガーのプリンス。”人に利用されること”を嫌い、アーティスト自身が楽曲にまつわる権利を手にできるよう、彼なりの方法で音楽業界の不条理に立ち向かった。

シンガーのプリンス。”人に利用されること”を嫌い、アーティスト自身が楽曲にまつわる権利を手にできるよう、彼なりの方法で音楽業界の不条理に立ち向かった。

 現在でも、スクーターからの面と向かって話しをしたいというリクエストを断固として突っ撥ねていると言われるテイラー。果たして、計画通り、彼女が過去曲を録り直し、再び世間に送り出すということはできるのだろうか? 

更新:テイラーは米現地時間8月22日朝に出演した『グッドモーニング・アメリカ』での生インタビューで、前レーベルとの契約では、2020年の11月から過去のアルバムを再レコーディングしても良いことになっていると明かし、「私はアーティストが自分で作った楽曲の権利を持つべきだと思ってる。だからすごく楽しみよ」、「来年は忙しくなりそうね」と過去曲を再録することを明言した。

(フロントロウ編集部)

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