エミネムが意味深ツイート
SNSを積極的に更新するタイプではないスリム・シェイディことエミネムが、珍しく“個人的”なツイートをした。
「みんなこの問題をほしがるが、手に入れると(考えが)変わる」
People think they want this problem 'til they get it.
— Marshall Mathers (@Eminem) August 28, 2019
エミネムのこのツイートが何についてのことなのかはっきりわからないけれど、ファンの間では、90年代に大活躍したヒップホップグループのブランド・ヌビアンの元メンバーであるロード・ジャマー、もしくはサマーソニック2019に参加したマシンガン・ケリーに宛てたものなのではないかという憶測が広がっている。
というのもエミネムは2018年8月にリリースしたアルバム『カミカゼ』の楽曲で、ロード・ジャマーとマシンガン・ケリーを猛烈批判しており、現在進行形でビーフ(※)が繰り広げられている。
※ラッパー間でディスソングをリリースし合うなどしてバトルを繰り広げること。
エミネムVSロード・ジャマー
以前から白人ラッパーであるエミネムを非難しているロード・ジャマーは、数年前から一貫して「黒人はエミネムの曲を聴かない」という主張を繰り返している。
これに対抗して、エミネムは『カミカゼ』の収録曲「フォール」で「ロード・ジャマーに関しては/頼むからほっといてくれ」という歌詞で、ロード・ジャマーのディスに反応していた。
ロード・ジャマーは批判された楽曲だけでなくアルバム全体を批判し、今年5月に行なわれたVLADTVのインタビューでも、「俺たちはエミネムを聴かない。ジムに行ってエミネムをつけないし、クラブに行く時もエミネムを聴かない。どこのクラブもエミネムを回さない…。ダサい場所でかかってるかどうかは俺は知らないけど」と、いかに黒人が白人のエミネムの楽曲を聴かないかという持論を展開してディスったばかり。
これに対して、エミネムと同じデトロイド出身で、彼とデュオを組んでいるラッパーのロイス・ダ・ファイブ・ナインが、約1週間前にインスタグラムを通してエミネムを擁護。
Royce Da 5’9 Responds to Lord Jamar Criticizing Eminem On Vlad TV On His IG TV pic.twitter.com/UITNFx5Cyw
— 2CooI2Blog (@2Cool2Bl0g) August 23, 2019
ロード・ジャマーがヒップホップ業界のトップに君臨していることは認めつつも、ロード・ジャマーの度重なるエミネム批判は、それを利用し再生回数を稼ごうとする“炎上商法”だと非難する動画を投稿し、エミネムをかばった。
ネット上ではファンの間で論争が激化し、エミネムの話題が盛り上がりを見せている。
エミネムVSマシンガン・ケリー
ロード・ジャマーとの確執がある一方、エミネムは同じ白人ラッパーのマシンガン・ケリーともビーフを繰り広げている。
事の発端は、2015年にマシンガン・ケリーがエミネムの娘に色目を使ったことから。
家族と過ごすためにグラミー賞を欠席するほど、家族を大事にしており、大切な人のプライバシーを守るために滅多に娘について語らないエミネムは、公の場で一般人の娘に触れたマシンガン・ケリーに激怒。その怒りが、アルバム『カミカゼ』で“エミネム派”のロイス・ダ・ファイブ・ナインをフィーチャリングに向かえた「ノット・アライク(※「似ていない」という意味)」で露骨に表れた。
マシンガン・ケリーもまた、エミネムをディスりまくったアンサーソング「ラップ・デビル(※)」をリリースするなど、2018年の夏は2人のバトルが激化した。
※ラップ・ゴッドというエミネムのニックネームにかけたタイトル
それから約1年が経った7月末、テレビ番組『Everyday Struggle』に出演したマシンガン・ケリーは、再びエミネムについて触れ、エミネムが自分のスキルを認めてくれるなら和解したいと口にし、ポジティブな意味でエミネムとの関係が再び話題になった。
こうした状況があったなかで、エミネムがした「みんなこの問題をほしがるが、手に入れると(考えが)変わる」という意味深ツイート。ロード・ジャマーとマシンガン・ケリーのどちらにも向けた反応にもとれるが、その真相は謎に包まれたまま…。(フロントロウ編集部)