破天荒なリアム・ギャラガー
90年代のブリットポップを牽引したオアシスのリアム・ギャラガーと兄ノエル・ギャラガーがイギリスの労働者階級出身であることは有名。彼らが結成したオアシスは、社会にうっぷんのたまった“不良”な若者たちが富に見向きもせず音楽で社会にメッセージを送り、イギリスのみならず世界中を熱狂させた。
そんな出生話はリアムの4人の子供たちも知っており、父に対しては“労働者階級出身の不良”というイメージをもっていたそう。しかし第3子である息子のジーンがリアムの実家、つまり祖母の家を訪れた際に“がっかり”してしまったという。
リアムは当時の様子を、英Mr Porter's Journalでこう振り返る。
「ジーンは、俺の実家を見た時にがっかりしてたよ。『これがパパの家?パパは不良だと思ってたのに!』ってな。『俺は不良だ!』って言ったけど、『お金持ちの家みたい』って言うから、『だって母親がキレイにしたかったんだよ』って言い返したんだ」
リアムの息子ジーン・ギャラガー。
リアムは“労働者階級出身の不良”というバックグラウンドをもち、オアシスとして有名になったあとも、ドラッグでハイになった状態で、ホテルで乱闘騒ぎを起こしホテル側から宿泊拒否されたり、兄のノエルと公の場でお互いを罵倒し合ったりと、多くの破天荒エピソードも持つ。
そんな労働者階級のギャラガー兄弟の生家ともなれば、どんなものだろうとリアムの息子ジーンも期待していたよう。しかし予想外の家にジーンが、「ちょっとよく分からないな、パパ」と言ったのを聞き、自身のアイデンティティにプライドを持つリアムは、息子に対してかなり汚い言葉で言い返したそう。
「俺はお前みたいに気取ってなんかないわ、バカ息子。私立学校に通って、6ヵ月ごとにホリデーで(高級リゾート地の)サントロペに行くなんてな。俺のほうがお前の意味が分からないわ、アホが」
破天荒リアムの息子といえど、ジーンはすでに世界的なバンドとなっていたオアシスのリアムのもとに生まれ、かなり裕福な生活を送ってきた。そんな息子に自分のルーツを否定されたように感じてしまったのか、かなり必死に反論してしまった様子のリアム。
そんなリアムは、ジーンが高校を退学になってしまった時にも喜んだという逸話がある。(フロントロウ編集部)