18歳女子大生が始動した「#NoFutureNoChildren(未来が無いなら子供は生まない)」というハッシュタグを掲げた環境デモが欧米の多くの若者たちに支持されている。(フロントロウ編集部)

「未来が無いなら子供は生まない」

 近年、深刻化の一途を辿る地球温暖化問題。専門家たちの間では、地球の平均気温が1.5度上昇すると温暖化の連鎖が止められなくなり、現在よりもさらに恐ろしい弊害に見舞われることが予測されている。

 現在のスピードでCO2の排出を続けると、楽観的に見積もっても向こう8年で「1.5度の壁」の突破につながるCO2排出量の限界値に到達してしまう(※)と危惧されるなか、欧米諸国の若者たちの間では、各国のリーダーたちに気候変動対策の強化を訴えるさまざまなデモ運動が活性化。

※国連気候変動に関する政府間パネルの調査より

 スウェーデンの15歳女子高生グレタ・トゥンベリが、大人たちに気候変動の深刻さを訴えるために始動した通学ストライキ「気候変動問題のための学校ストライキ(School Strike for Climate)」や、グレタの活動に賛同した若者たちが2019年に入ってから始めた世界同時デモ「グローバル気候マーチ(Global Climate Strike)」などが大きな注目を集めている。

画像: 米ワシントンD.C.のホワイトハウスの前で行なわれたストに参加したグレタ・トゥンベリ。

米ワシントンD.C.のホワイトハウスの前で行なわれたストに参加したグレタ・トゥンベリ。

 そんななか、また1つ、10代の学生による新たなデモが発足した。

 カナダ・モントリオールにあるミギル大学に通う18歳の女子大生エマ・リムが始動したのは、「#NoFutureNoChildren(ノー・フューチャー・ノー・チルドレン)」というハッシュタグを掲げた気候変動対策強化を求めるムーブメント。

 日本でも有名な某CDショップチェーンのキャッチコピーと似ているため、すでに何となく分かったという人も多いと思うが、日本語にすると「未来が無いなら子供は生まない」といった意味になるこのスローガンは、“このまま地球温暖化や環境破壊が進み、壊滅的な未来しか待ち受けていないのなら、そんな不安だらけの地球に新しい命を産み落としたいとは到底思えない”という、若い世代が抱える将来への大きな危機意識を反映したものとなっている。

「カナダ気候マーチ」の一環として、「#NoFutureNoChildren」の始動を宣言するエマ・リム。

 「私は物心ついた時から、ずっと、ずっと母になることを夢見てきました。でも、安全が保証されていない世界に我が子を産み落とすつもりはありません。」と米Insiderに語ったエマ。

 政治家たちによる気候変動に関する討論会の様子を目の当たりにして、彼らがまだこの問題に真摯に取り組んでいないと感じた彼女は、「政府が地球の平均気温の上昇を1.5度以内に収めるための具体策を提示してくれることを望んでいます」と語り、世間の人々にも、気候変動を安定させるより現実的な対策が提案されるまで、妊娠・出産を控えてはどうかと訴えている。


あのセレブも同様の意見

 一見、極端にも見えるエマのメッセージだが、「気候変動が私たちの世代にとってどれほどの恐怖をもたらしているかを多くの人々に知って欲しい。私たちの両親や祖父母の世代にとって、気候変動は真実がどうか分からないものだったかもしれないけれど、私たちにとっては命に関わる問題だから」と語る彼女のムーブメントに賛同する若者は多い。

 立ち上がったばかりの特設サイトにはすでに1200人を超える賛同者が。さらに、ツイッターでは「#NoFutureNoChildren」のハッシュタグを使い、環境保護や地球温暖化対策の増強を唱える投稿が続出し、10~20代だけでなく、30代以上の男女からも「画期的」、「私がずっと言いたかったのは、こういうこと」、「このアイディアには賛同できる」といったコメントが寄せられている。

画像: あのセレブも同様の意見

 エマの主張に代表されるように、地球環境悪化への懸念から子孫を残すことに不安を抱く女性は少なくない。

 シンガーのマイリー・サイラスも、つい数カ月前に公開されたインタビューの中で、エマの考えと共通する、こんな発言をして大きな注目を浴びた。

「私たちは、先人たちからボロボロになった地球を手渡されようとしている。そして私は、そんな地球を自分の子供に受け継がせたくはない。私は、我が子が魚が住めるくらい綺麗な水に満ちた地球に暮らせると確信できるまで、もうこれ以上多くの人をこの問題に巻き込みたくない」—マイリー・サイラス/米ELLEのインタビューで語って。

画像: マイリー・サイラス

マイリー・サイラス

 「#NoFutureNoChildren」を始動したことで、ひとつ前の世代である自分の両親たちが、ようやく事の重大さに気づくのを実感したというエマ。

 「みんな世界各地で起こっているハリケーンや熱波に関するニュースを目にしているけれど、幸いなことに、私たちが暮らすカナダでは、まだ壊滅的な被害をもたらす災害は起こっていません。でも、これらの自然災害は実際に起きていることなのです」と、多くの人がどこか他人事のように感じている地球温暖化に起因する自然災害は、いつ誰の身に起こってもおかしくないと、Vice Canadaへのコメントを通じて人々に危機感を持つよう呼びかけた。

 9月23日に行なわれる国連気候サミットに先駆け、9月20日には、世界各地で同時デモ「グローバル気候マーチ(Global Climate Strike)」が開催。

 日本でも東京、大阪、愛知、福岡といった都市のほか、北は北海道から南は沖縄まで、全国23地区で「グローバル気候マーチ」が行なわれる。詳細は「グローバル気候マーチ」の公式HPを確認して。(フロントロウ編集部)

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