バービー人形などで知られる米玩具メーカー、マテル社が性別を自由に変更できるジェンダーフリーな着せ替え人形コレクションのリリースを発表した。(フロントロウ編集部)

ジェンダーフリーな着せ替え人形

 多様性を尊重し、すべての人が参加できる社会を目指そうと、包括性を重要視する動きが高まるなか、これまでにも、様々な体型や人種、宗教的、文化的特徴を反映したバービー人形や、車いすや義足といった身体的障がいを補助する器具を導入したバービー人形のコレクションを発表してきたマテル社が、また革新的な取り組みを打ち出した。

 同社が新たに発表したのは、“ラベリング(※1)”を防ぎ、すべての人を歓迎する”というテーマに基いて開発された「クリエイタブル・ワールド(Creatable World)」と名づけられたファッションドール・コレクション。

※レッテルを貼ることで、相手に暗示を与えて、相手がそれに沿って動くように仕向けること。

 マテル社は同コレクションの開発にあたり、アメリカ国内の7つの州に暮らす250世帯の家族へのアンケートを実施。その中には、トランスジェンダーやノンバイナリー、ジェンダー・フリュイド(※2)を自認する15人の子供たちの意見も反映されている。

※2 トランスジェンダー(身体的特徴上の性別と、本人の性自認が一致しない)、ノンバイナリー(自身のジェンダーを男性とも女性とも限定していない人)、ジェンダー・フリュイド(1つのジェンダーに縛られない流動的な人)

 人形本体は、すべての子供たちが親近感を抱きやすく、自分を表す存在として感情移入しやすいようにと、男女の身体的特徴を排除。さまざまなバリエーションの肌色も用意されているほか、ショートへアからロングヘアに切り替えられるウィッグが同梱。

画像1: ©Mattel

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画像2: ©Mattel

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 “ガーリー”な洋服と“ボーイッシュ”な洋服の両方とユニセックスの洋服、そして、小物、靴などがセットになったジェンダーニュートラルなキットとして販売される。

画像3: ©Mattel

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 子供たちが、「男の子はこうあるべき」、「女の子はこうあるべき」といった既成概念の枠にとらわれず、自由に性別を変更し、カスタマイズして好きなようにファッションを楽しめる画期的な玩具を目指して開発されたクリエイタブル・ワールド。

 マテル社のバービー人形といえば、「時代を写す鏡」と言われながらも、しばしば、その非現実的な体型が、世の中の子供たちに悪影響を及ぼしていると指摘されてきた。しかし、そんな過去の教訓を活かし、クリエイタブル・ワールドの人形たちは、より実際の人間に近い自然なプロポーションが採用されている。

 すでに海外のSNSで話題沸騰中のクリエイタブル・ワールドは、まずは6種類のキットが発売。アマゾン、ターゲット、ウォルマートといった米大手オンラインストアで定価29ドル99セント(約3,200円)で販売されている。(フロントロウ編集部)

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