アメフト選手が性的暴行の被害者だった
1980年代に、アメリカのアメリカンフットボールチームであるニューヨーク・ジェッツで活躍したマーク・ガスティノー。身長196cmで、ディフェンシブエンドとして活躍した今年63歳のマークが、ある衝撃の告白を行なった。
「俺みたいな、アメリカンフットボールの選手であり体格の良い男っぽい奴が、少年の時にレイプされていたなんて想像できるかい?」
米New York Postのインタビューで、10代の頃に受けたレイプ被害を告白したマーク。
当時、マークは11歳。父の牧場で働いていた男によるものだったといい、レイプはマークが14歳になるまで続いたという。
しかし、マークは苦痛にまみれたその経験を、記憶の奥底に隠した。約50年もの間秘密にされた過去。そんななかマークは、12年前に結婚した現在の妻と出会ったことで自分の中に変化が起こったと認める。
「妻と結婚し、そのことについて話せるほど誰かを信頼できるまで、それについて考えることすらしなかった」と、辛すぎる経験は自分自身の記憶のなかでさえ蓋をされ、むしろ自覚のないまま自分の中に存在し続けたと明かしたマーク。さらに、自身の母が去年亡くなったことも、少年である自分に降りかかった男性からのレイプ被害を告白するきっかけになったと話す。「この告白は母を殺すだろうからね」。
自身も娘と息子を持つマークは、この経験を話すことで世の中の両親や大人が、より子供たちにしっかりと気を配るようになることを願っているという。
「アメリカンフットボールの選手にすら、そんなことが起こりえるのであれば、君たちは自分の子供たちになにが起こっているのか、しっかりとした注意を払わなくてはいけないよ」
男児への性的虐待は珍しいことではない
性的暴行事件と聞くと、その被害者に女児や女性を思い浮かべる人は多い。しかし、男性への性的暴行も珍しい話ではない。
これまでも、ドラマ『GIRLS/ガールズ』のアンドリュー・ラネルズや、フォーエバー・イン・ユア・マインド(Forever In Your Mind)のメンバーであり俳優のリッキー・ガルシアなどが、未成年時に経験した性被害を告発している。
日本でも、今年7月に24歳の男が小学校低学年の男児を公衆トイレに連れ込み性的暴行をした事件や、9月に46歳の男が5歳男児にショッピングセンターのトイレで性的暴行をした事件が発生。
日本では、2017年に強姦罪が強制性交等罪と改められてから、強姦および準強姦の罰則規定が男性にも等しく適用されるようになっている。
しかしその一方で、性被害を告発した被害者に対して、話を聞いた第三者が被害者の告白を真剣に取り合わずに茶化したり、被害者にも落ち度があったとでもいうような言葉をかけたりするセカンドレイプの被害も。セカンドレイプは、被害者の年齢や性別にかかわらず起きていることが指摘されており、レイプそのものと合わせて大きな問題となっている。(フロントロウ編集部)