自社株の過半数を売却
22歳にして総資産が10億ドル(約1100億円)を突破し、米経済誌フォーブスが認定する一代にして富を築き上げた「世界最年少の億万長者」の称号を手に入れたカイリー・ジェンナーが、自身のビジネスウーマンとしての今後を左右する、一世一代の大勝負に出た。
カイリー率いるカイリー・コスメティックスは、米ビジネスメディアBusiness of Fashionへの声明を通じて、自社の株式の過半数となる51%を6億ドル(約650億円)で世界最大手の美容系複合企業の1つであるコティ社に売却したことを発表。
今後は、製品の生産・販売は同社に委ね、カイリー・コスメティックスは、よりクリエイティブ面やコミュニケーション構想に専念することを明らかにした。
ドラッグストア向けコスメブランドの大手カバーガール(CoverGirl)やネイル用品ブランドのオー・ピー・アイ(O.P.I.)、イギリス発のプチプラコスメブランド、リンメル(Rimmel)、フランス発のブルジョワ(Bourjois)といった若者に馴染みが深い人気美容ブランドの数々を傘下に持つほか、クロエ(Chloé)やバレンシアガ(Balenciaga)、Burberry(バーバリー)、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)などのハイファッション・ブランドの美容部門の運営にも携わっているコティ社。
世界7大美容系複合企業の1つに数えられる同社との提携は、カイリー・コスメティックスにとって一体何を意味するのだろうか?
世界規模での展開へ
その答えは、簡単。カイリーは、2015年に弱冠18歳で立ち上げた自分のブランドをさらに世界中に広く展開するため、創業4年目にしてコティ社との提携に踏み切った。
カイリー・コスメティックスや、その姉妹ブランドとして2019年にスタートしたスキンケア・ブランドのカイリー・スキン(Kylie Skin)といえば、これまで、基本的には、同社のオンラインストアか米ビューティーチェーン、ウルタ・ビューティー(Ulta Beauty)の店舗およびオンラインストアでしか公式販売されていなかった。
しかし、世界中のドラッグストアやコスメチェーンとの間に太いパイプを有するコティ社との提携したことにより、今後は、販売経路が格段に増え、これまで商品を購入することができなかった、もしくは買いづらいと考えていた海外の顧客にも同ブランドのアイテムを手に入れるチャンスを提供できる。
カイリーは、「コティ社との提携により、世界中のよりたくさんのファンたちにカイリー・コスメティックスとカイリー・スキンの商品を提供できることにワクワクしています。これからも顧客に求められる商品コレクションの開発や創意工夫に努めつづけ、SNSを通じてアピールしていくことを楽しみにしています」と声明の中でコメント。
さらに「このパートナーシップは、私と私のチームが商品開発のクリエイティブな面によりフォーカスするとともに、私のブランドが世界的なビューティー企業へと成長する手助けとなってくれることでしょう」と“世界制覇”への一歩に胸を躍らせている様子だった。
2019年に入り、カイリーは、ベビー&キッズ用品全般を扱うブランドの「カイリー・ベビー(Kylie Baby)」の商標登録を出願。さらに、今後は、香水の展開なども予定しているという。
コティ社傘下のブランドは、日本上陸しているものも多いので、近い将来カイリー監修のコスメが日本でも簡単に手に入れられるようになるかも!
なんにせよ、カイリーが、これから、もっともっとお金持ちになっていくことは間違いない。(フロントロウ編集部)
※この記事は一部名称の表記に誤りがあったため公開後に修正しました。