エミリア・クラーク、クビになるのが怖かった
映画『ラスト・クリスマス』や『世界一キライなあなたに』などで知られるエミリア・クラークは、2011年に放送が始まったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でキャリアの花が開いた。
約10年にわたって続き、熱狂的なファンを生みだした『ゲーム・オブ・スローンズ』でメインキャラクターのデナーリス・ターガリエンを演じたエミリアは、シーズン2の撮影が始まる前に、あることを隠し続けていたという。
それは、エミリアが脳に抱えた動脈瘤の存在。
エミリアは、2011年に動脈瘤が原因のくも膜下出血を起こして生死の境をさまよい、2013年に撮影が終了したシーズン3の後にも、ふたたび複数回にわたって動脈瘤の手術をしていたことを、今年2019年初めに明かしている。
エミリアは、「最初の(動脈瘤の)時は自分が死なないって分かるまで、みんなに今なにが起きているのかを知らせることができなかった」と、英ポッドキャスト『Table Manners(原題)』の中で語る。
「私はずっと、どんな理由であってもクビになるのが怖かったの」
原作小説も大人気作品であり、すでにシーズン1の時点で多くのファンがいた『ゲーム・オブ・スローンズ』のメインキャラクターを、まだまだ駆け出しの俳優という立場で掴み取ったエミリアにとって、ドラマへの出演は絶対に手放したくない仕事。
命にかかわる病気ですら「自分だけの問題」と考えて、制作陣には「私は全然元気ですよ。撮影に戻ります。私に問題はありません」と言い続けたという。
エミリア・クラークの現在
一時は、脳にダメージを受けたことで自分の名前すら思い出せず、俳優として活躍するエミリアは病院のスタッフに「死なせてほしい」と頼んだこともあるという。
そんな絶望を乗り越えたエミリアは、現在は心身ともに「100%健康」と言えるほどの奇跡的な回復を遂げた。
『ゲーム・オブ・スローンズ』もテレビ史に残る大ヒット作品へと成長し、エミリアも俳優として高い人気を集めている。
そんなエミリアは今年3月に、神経学的リハビリテーションを必要とする人々へのサポートを呼びかけるチャリティ団体「SameYou(セイム・ユー)」を設立。自身の辛い過去を糧に、社会全体へ向けて活動している。(フロントロウ編集部)