広範囲を焼き尽くすオーストラリア森林火災
オーストラリアで10億匹以上の野生動物が命を落とし、27名が亡くなっている森林火災。
すでに総面積1030万ヘクタール(韓国の広さに匹敵)が燃え、今現在も猛威を振るっているこの火災で、2人のフォトグラファーが撮影した「自然の力」に多くの人が胸を打たれている。
フォトグラファーのメアリー・ボールウィンドは、焼け果てた森林がある5km以内に自宅があるという。多くの命を奪っている森林火災に直面しているため、去年2019年のクリスマスもお祝いモードにはなれなかったと、英Ladbibleに明かすメアリー。
そんな彼女は、友人のフォトグラファーであるマリー・ロウとともに、火の手が去った後のニューサウスウェールズ州のクルヌラという地域へおもむき、森の様子を見るために数時間ほど歩き回ったという。
自然の回復力を目の当たりにする
もちろんほぼすべての自然は焼け果ててしまっていたけれど、メアリーとマリーは探索を続けるうちに、あることに気がついた。
黒く燃えた木々や地面の間から、新たな自然の芽が出てきていた。
黒くなってしまった木の表面に赤やピンクに色づいた芽が出て、地面からは緑の草が元気よく飛び出し、燃えた幹の下では新たな樹皮が再生されている。
長期化している森林火災のなか、すでに力強く再生している自然を前に、メアリーは感動し、希望を感じたという。「この希望を伝えたかった」というメアリーとマリーはすぐさまフェイスブックに一連の写真を公開した。自然の力を感じられるこの投稿は、いいね数よりもシェア数のほうが多い結果となり、4万回以上シェアされている。
自然が自力で再生を始める一方で火災はいまだに続いており、火災が落ち着いたあとでも、森林再生や野生動物の保護などの問題もあるため、復旧には時間がかかると見られている。
日本語解説つきの、日本からオーストラリアへ寄付する仕方はこちらのページで確認できる。(フロントロウ編集部)