衣装の刺繍に刻まれた女性の名前
日本時間2020年2月10日に開催されている第92回アカデミー賞授賞式のレッドカーペットに、ナタリー・ポートマンが登場。
ブラック×ゴールドがシックなディオール(Dior)のドレスにケープを合わせた衣装を着用したナタリーは、この衣装で今年のオスカーで問題視されていることに触れた隠れメッセージを残した。
ナタリーが着用したケープには、ゴールドの刺繍で今回のアカデミー賞でノミネートされなかった女性監督たちの名前が記されている。
2020年のアカデミー賞は、白人優先のノミネーションが目立ち、例年に増して有色人種や女性のノミネーションが少なかった。2020年アカデミー賞のノミネート作品で有色人種が主導のものは、作品賞9作品のうち1作品。監督賞・主演男優賞・主演女優賞ではそれぞれ5作品のうち1作品ずつのみで、多様性のラインナップとしては過去4年間で最も低い結果となった。
アカデミー賞の歴史を振り返って見ても、長くから「白人作品が優先される」傾向にあり、ここ数年でようやく改善しはじめたと思われたが、2020年は“白人男性”ばかりのノミネーションとなっていた。
そんな問題を美しいドレスで表現したナタリーは、「今年の素晴らしいアワードで日の目を浴びなかった女性たちに焦点を当てたかった」とドレスに名前を入れた理由を語った。
Natalie Portman embroidered her Dior cape with all of the female directors who weren't nominated for #Oscars. Check out her explanation here. pic.twitter.com/kyyo2wVMZf
— Amy Kaufman (@AmyKinLA) February 10, 2020
ナタリーといえば、今年のアカデミー賞と同じく最優秀監督賞に女性がノミネートされなかった2018年のゴールデン・グローブ賞のステージで、映画界に根強く残る男性至上主義体質に警鐘を鳴らす強烈なディス発言をして喝采を浴びた。(フロントロウ編集部)