「王子」はやめて
3月末をもってイギリス王室の高位王族の座を退くことが明らかになったヘンリー王子が、一般人が集まったイベントでのスピーチ前に、「Prince(王子)」と呼ばれることを拒否。“新たな呼び名”で呼んで欲しいとお願いした。
2019年9月に地球環境に配慮したサスティナブルな旅行を推進するプロジェクト『トラバリスト(Travalyst)』を立ち上げたヘンリー王子は、スコットランド・エディンバラで行なわれた同プロジェクト主導の新時代の旅の在り方について協議するサミットに出席。
ステージに登壇してスピーチを行なったが、ヘンリー王子の登場前、司会進行役を務めたジャーナリストのアイーシャ・ハザリカから参加者たちに向けてこんなお達しがあった。
「ヘンリー王子は、私たちに『ハリー』とだけ呼んで欲しいとハッキリとおっしゃいました。ということで、紳士淑女のみなさん、『ハリー』をあたたかく盛大なスコットランド流に歓迎してあげてください!」
アイーシャの紹介で登場したヘンリー王子は、旅行が地球環境や気候変動に与える影響について改めて語り、「10年先の未来を見据えて、よりサスティナブルな旅行の仕方へと転換することは、観光地や地域コミュニティの繁栄や支援につながります」と旅行スタイルを見直すことの重要さを強調した。
ヘンリー王子が「王子」を排除し、ただ「ハリー」というニックネームで呼んで欲しいとリクエストしたのは、ヘンリー王子と妻のメーガン妃が、英王室から“待った”がかかってしまった、王族であることを示す「ロイヤル」の呼称を4月の引退以降は使用しないと発表したほんの数日後のこと。
夫妻は、今後設立予定の財団の名称に関しても、英国知的財産庁に出願していた「サセックス・ロイヤル」、「サセックス・ロイヤル・ザ・ファンデーション・オブ・ザ・デューク・アンド・ダッチェス・オブ・サセックス」という「ロイヤル」という言葉を含む商標登録の申請を2月25日付けで取り下げたことが明らかになっている。
1月の王室離脱宣言後に生活の拠点をカナダ・バンクーバー島へと移したヘンリー王子とメーガン妃だが、一時的にしばらくイギリスに戻り、2月末から3月の上旬にかけて行なわれるロイヤルとしては最後となるいくつかの公務に参加する。(フロントロウ編集部)