モデルとともにランウェイを闊歩
パリで開催された人気ブランド、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)の2020年/2021年秋冬コレクションのランウェイに、遊園地やテーマパークなどで見かける動物の「着ぐるみ」たちが登場した。
モデルたちに混ざって姿を現した、どこか懐かしく、愛嬌のある表情のウサギ、牛、キツネ、ワニ、シマウマといった動物たちは、地球環境や動物愛護の観点から、サステナブルでエシカルな素材選びを徹底していることで知られる同ブランドの新作バッグを手に颯爽とランウェイを闊歩。ファッション界における、ファーやレザーといった動物由来の素材の使用の廃止を訴えた。
同ブランドのデザイナーで、ロックバンド、ビートルズのポール・マッカートニーを父に持つステラ・マッカートニーは、厳格なヴィ―ガン(完全菜食主義者)であり、ブランド創設以来、20年近くも前から、サステナビリティーとファッション性の両立を追求しているパイオニアとして知られる。
今回のファッションショーに先立ち、ステラ・マッカートニーの公式インスタグラムでは、動物たちがファーやレザーの撤廃を訴える素朴ながら胸に刺さるイラストが公開。
「僕の毛皮は僕のほうが似合ってる」
「皮を剥がすのは、カッコ悪い」
「ステラが僕たちの皮を救ってくれたよ」
さらに、モデルたちが着用した新コレクションにも、フェイクファーやフェイクレザーが多用されたほか、動物の形をしたブローチやネックレスといったジュエリーが取り入れられるなど、動物愛護をスタイリッシュに主張するアイテムが目立った。
ステラ・マッカートニーの支持者はセレブにも多く、筋金入りのヴィ―ガンで知られる映画『ジョーカー』のホアキン・フェニックスは、自身が最優秀主演男優賞を受賞したアカデミー賞を含む、今季すべてのアワードでステラ・マッカートニーの1着のスーツを着まわしたことでも注目を集めた。(フロントロウ編集部)