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自宅軟禁中のラッパー、テカシ・シックスナインが獄中で作った新曲「Gooba(グーバ)」をリリース。自宅の裏庭で撮影されたミュージックビデオには、「自宅軟禁中の身である証」を得意気にお披露目するシーンも登場。(フロントロウ編集部)

テカシ69、自宅軟禁中に作った新曲が解禁

 ラッパーのテカシ・シックスナイン(Tekashi 6ix9ine)は、2018年11月、所持していた銃による発砲や恐喝、さらにギャング関連の麻薬取引や武装強盗に関与していた容疑で逮捕。その後、殺人の共謀を含む複数の罪で懲役2年の判決を下されたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、当初予定されていた2020年末よりも半年以上早い4月頭に出所。帰宅を許可され、現在はGPSによる警察の監視のもと、自宅にて残りの服役期間を過ごしている。

画像: 警察が公開したテカシの逮捕写真。

警察が公開したテカシの逮捕写真。

 そんなテカシが、米現地時間5月8日の自身の24歳の誕生日に合わせて、獄中で制作したという出所後初の新曲「Gooba(グーバ)」をリリースした。

 自宅軟禁中のテカシが、保護観察官に事前に承認を得たうえで、週に1日、2時間だけという条件付きで居住地の外で活動することを許可され、自宅の裏庭でMVの制作に取り組んでいるという情報は、以前フロントロウでもお伝えした。そんな制限のなかで撮影されたMVが、なかなかインパクトのあるものだった。


悪びれる様子もなく「ヘイター」たちをディス

 外出許可が出た裏庭に設置された簡易スタジオで撮影されたものとみられるMVに顔面タトゥーにレインボーカラーのエクステを編み込んだ、お馴染みのスタイルで登場したテカシ。

 レインボーカラーのダウンジャケットを身に着けた彼は、レインボーカラーの衣装に身を包んだセクシーなダンサーを従えて、レインボーカラーのインクまみれになるという“レインボーづくし”のパフォーマンスを見せている。

 美女たちが「トゥワーク(twerk)」と呼ばれる尻振りダンスを一心不乱に踊るなか、テカシが繰り出すリリックには、これまでのスタイルと一貫して”金“、”女“、”名声“について自慢する内容にくわえて、自身に対してネガティブな感情や意見をぶつける「ヘイター(Hater/嫌う人・批判する人)」たちへの挑発的なメッセージも並ぶ。

 終身刑もしくは最短でも懲役25年の実刑判決を言い渡される可能性があると言われていたテカシは、すべての容疑を認めたうえで、自身と関与があったギャングメンバーによる犯罪に関して情報提供するという司法取引をし、警察に協力する道を選んだおかけで“減刑”が認められた。

画像: 悪びれる様子もなく「ヘイター」たちをディス

 その結果、懲役2年の判決が下されたテカシを「密告者」、「チクリ屋」と呼ぶ敵対者も多い。そんなヘイターたちに向けて、テカシは、「みんな怒ってるか、戻ってきたぜ!」「ハハ、笑っちまうぜ、だってお前らがマジ切れしてるからさ/顔に出てるぜ、泣き虫ちゃん/そうか悲しいか/奴らは俺についてツイートしてる/おかげさまで俺はトレンド入り/超悲しいだろ/俺がギャングについてチクったって?どうやったか教えてみろよ」といったリリックで思いきり煽っている。


「服役中の証」を見せびらかす

 “新型コロナウイルス”という旬なワードも盛り込んだ「Gooba」のMVには、テカシの出所を待ちわび、テカシのアーティスト名の一部である「69」という数字やテカシの顔をモチーフにしたタトゥーまで彫ってしまった恋人のジェイドも出演。イチャイチャを見せつけた。

右から2番目のイエローの衣装がジェイド。

 そして、終盤には、テカシが自宅にて服役中であることを証明する、アンクル・モニターまたはアンクル・ブレスレットと呼ばれる、自宅軟禁中の受刑者が足首につけるGPS監視装置もお披露目。

画像: ©Tekashi 6ix9ine/YouTube

©Tekashi 6ix9ine/YouTube

 ちゃんと許可された敷地内でMVを撮影したことを証明するというよりも、逮捕により“箔が付いた”とでも言いたげなこのシーンには大きな注目が集まった。


ファンに謝罪&司法取引を選んだ理由を明かす

 「Gooba」のリリース後に行なったインスタグラムでのライブ配信では、実際に逮捕時に使われた物なのかどうかは不明だが、手錠を誇らしげに振り回してノリノリで踊ったり、眼鏡のように目に当ててポーズを取ってみたりと、最初はおちゃらけていたテカシ。

 しかし、「みんなが怒る気持ちはわかる。自分でも、こんなチクリ屋が出所してすぐにスゴい数字を叩き出したら怒ると思う」と、謎の上から目線で理解を示したかと思うと、今度は、「ファンにはごめんなさいと言いたい。だって、そこまでする価値はなかった」とファンたちに謝罪した。

画像: ファンに謝罪&司法取引を選んだ理由を明かす

 そして、ギャングメンバーの情報を警察に提供すると決めた理由については、「ストリートには忠誠心なんて呼べるものなんてない。もしチクっちゃいけないというルールがあれば話は別だけど。でも、相手が俺の子供の母親(※)と寝ていたとしたら? 俺を殺そうとして盗聴していたら?母親を誘拐しようとしていたら?俺から何百万ドルも盗んでいたとしたら、忠誠心はどこだ? 先に裏切ったのは誰だ?」と自身の言い分をぶちまけた。

※テカシには元恋人の女性との間に4歳の長女がいるほか、裁判中に別の女性との間にもう1人娘がいることが明らかに。「子供の母親」とはいずれかの女性を指しているものとみられる。

 その後、再びファンに謝罪し、自分の母親や家族など迷惑をかけた人たちに謝罪したテカシは、「俺は確かにチクったし、裏切った。でも、みんな俺がチクったことが悪いみたいに言うけど、じゃあ俺は誰に忠誠心を示せば良かったんだ?」と最終的には家族に対して誠実だと思える選択をしたと強調した。

 テカシのライブ配信は視聴者数が200万人を突破。これは、インスタグラムライブ史上最多となった。(フロントロウ編集部)

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