『アベンジャーズ』からハルクを演じてきたマーク・ラファロ
俳優のマーク・ラファロは映画『アベンジャーズ』からシリーズ完結編の『アベンジャーズ/エンドゲーム』、そして『マイティ・ソー バトルロイヤル』でアベンジャーズの一員であるハルクを演じている。
当初、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品の2作目として2008年に公開された映画『インクレディブル・ハルク』でエドワード・ノートンがハルクことブルース・バナー役を演じていたものの、同作をもってハルク役を降板していた。
今回、マークは米人気トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジミー・ファロン』にリモート出演。2012年に公開された映画『アベンジャーズ』でハルク役を演じることになった経緯を語った。
司会のジミーから「最初はハルクを演じたくなかったという噂を耳にしたことがある」と話を振られると、マークはハルク役のオファーを受けた当初、「怖かった」と感じていたとして、「自分にどんな貢献ができるだろうって。僕が入る前に、既に成功を収めていたと思っていたからね」と、エドワードが演じたブルース・バナー像を超える貢献ができるか不安に思っていたことを明かした。
「僕は当時、インディー映画にしか出たことがなかったし、自分がこの役にふさわしいか分からなかった」と、MCUほどのメジャーな作品に出演した経験がなかったために不安だったと語ったマークだけれど、彼の心配をよそに、「(監督の)ジョス・ウェドンは『君こそがふさわしい』って言ってくれたんだけどね」と、『アベンジャーズ』の監督を務めたジョスからは太鼓判を押してもらっていたそう。
ロバート・ダウニー・Jr.からも説得
とはいえ、マークは監督からの言葉を受けてもなお、ハルク役を受けるか決めかねていたそう。そこで立ち上がったのが、MCUの1作目『アイアンマン』から一貫してアイアンマンことトニー・スターク役を務めてきたロバート・ダウニー・Jr.だったという。ロバートは2007年公開の映画『ゾディアック』で共演歴のあったマークの説得に一役買って出たとのことで、マークは当時を次のように回想した。
「ダウニーから電話をもらったんだ。僕が悩んでいるということを聞いたんだろうね、『ラファロ、一緒にやろう。僕らならできる』って言ってくれてね。まさにアイアンマンのような言い方でね。それで、『僕がやらないとなんだな』って思えるようになったんだ」
ハルクを演じる上でのもう一つの条件
作品内でアベンジャーズを立ち上げたトニー・スタークのごとく、ロバートから“アイアンマンらしい”説得をされてハルクを演じることに前向きになったと語ったマークだけれど、実際に承諾するにはハードルがもう一つ、“脚本を読ませてもらう”という条件があったそう。
マーベルは脚本やストーリーを口外しないよう厳重に管理していることで知られており、それはハルク役のオファーを受けたマークに対しても例外ではなかったようで、「僕は脚本を読んでおきたかったんだけど、彼らからは脚本をもらえなかった」とマーク。
「僕は若い頃、脚本を読むまでは映画に出演しないことを自分自身に誓っていてね。大失敗につながりかねないし、自分が行き詰まってしまうことになるわけでさ。時には『ノー』と言えることが、若い俳優の持つ唯一の力なんだ」と、マークは出演を決める際には前もって脚本に目を通すようにしているとした上で、「それで、『何か読ませてほしい』ってお願いしたんだけど、『申し訳ありませんが、何も渡せないのです』ってスタジオ側から言われてしまったんだ」と振り返った。
けれど、ここでマークに手を差し伸べてくれたのが監督のジョスだったといい、彼が自ら20ページ分の脚本を渡してくれたという。「スカーレット(・ヨハンソン)演じるブラック・ウィドウがインドで(ブルース・)バナーを見つけるっていう最初のシーンを読んで、『いいね。最高だよ』って思ったんだ」とマーク。「特別だと思った。『ユーモアに満ちているし、遊び心もある。これなら僕も何かできるかもしれない』と思ったんだよ」と、脚本を読んで最終的に出演を決めたことを明かした。
マークが出演した『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジミー・ファロン』の映像はこちら。
『アベンジャーズ』シリーズの最終章となった『アベンジャーズ/エンドゲーム』が、世界興行収入で長らく1位に君臨していた映画『アバター』を抜いて世界興行収入第1位に輝くなど、マークがハルクを演じた同シリーズのその後の大成功はよく知られている通り。映画と同じく、“トニー・スターク”が理想のチームを作る上で大きな助けになったのは間違いなさそう。(フロントロウ編集部)