自宅軟禁中のテカシ・シックスナイン
ラッパーのテカシ・シックスナイン(Tekashi 6ix9ine)は、2018年11月、所持していた銃による発砲や恐喝、さらにギャング関連の麻薬取引や武装強盗に関与していた容疑で逮捕。その後、殺人の共謀を含む複数の罪で懲役2年の判決を下されたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、当初予定されていた2020年末よりも半年以上早い4月頭に出所。
帰宅を許可され、GPSによる警察の監視のもと、自宅にて残りの服役期間を過ごしていたものの、先週、出所後初となる新曲「Gooba(グーバ)」のミュージックビデオの撮影のために許可を得て外出した際に近所の住民が彼の姿を目撃。住所をオンラインで暴露されて、別の場所へ移ることを余儀なくされている。
チャリティ団体に寄付を申し出
そんななか、テカシは現地時間5月12日、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって学校で食事をとることができなくなった子供たちのため、子供たちに食事を提供している慈善団体「ノー・キッド・ハングリー」に約2200万円(20万ドル)を寄付することを発表。
「このパンデミックのなか、看護師や最前線のヒーローたちが自らの命を危険に晒しながら他の人たちの命を救おうとしてくれていることは分かっている」とテカシは声明を発表して、「だけど、将来のリーダーたちのポテンシャルを最大限に引き出すためにも、毎日の食事や栄養について公立学校を頼りにしていた子供たちや家族がいることも決して忘れないでほしい。世の中のすべてのインフルエンサーたちに覚えておいてほしいのは、あんたらは恵まれてるってことだ。神様はあんただけに恵みを与えたんじゃなく、一番に他の人たちのことも助けてやってほしい」と、学校に行けずに食事をとる機会が減ってしまった子供たちを支援してほしいと呼び掛けた。
しかし、本名はダニエル・ヘルナンデスというテカシからの寄付の申し出は慈善団体によって拒否されたことが明らかになっている。「ノー・キッド・ハングリー」の担当者は米USA TODAYら報道各社に対し、「ノー・キッド・ハングリーに対するヘルナンデス氏からの寛大な申し出には感謝していますが、彼の担当者には今回の寄付を辞退させていただく旨をお伝えしました。子供たちのための活動として、我々のミッションや価値観とそぐわない活動をしている方からの資金提供は受けないというのが自分たちのポリシーなのです」とコメントし、子供たちに模範を示すために、ギャングとの関係など、たびたび素行の悪さが報じられてきたテカシからの資金提供は受けられないと説明した。
その後、テカシは寄付の申し出が拒否されてしまったことに反論。現在は削除されているインスタグラムへの投稿で、「ノー・キッド・ハングリーは罪のない子供たちからおもむろに食べ物を奪った。こんなに残酷な行為は見たことがないよ」と彼らの対応を批判した。
一方、24歳の誕生日を迎えた米現地時間5月8日にリリースされた「グーバ」は大きな成功を収めていて、同曲のミュージックビデオは公開されてからの24時間でYouTubeで約4,300万回再生され、ヒップホップのミュージックビデオとしてYouTubeにおける24時間の再生回数の記録を更新している。(フロントロウ編集部)