Black Lives Matter、広がる
非武装の黒人が白人警官によって殺されるという事件が、アメリカで長年起こっている。2020年に入ってからすでに複数人の黒人が殺害されており、5月に、白人警官に首を押さえつけられ息絶えたジョージ・フロイドの死をきっかけに、抗議の声が爆発している。黒人の命にも価値があるという意味のBlack Lives Matter（ブラック・ライヴズ・マター）運動は、デモ行進やプロテスト、寄付活動など、様々な方法で行なわれており、多くの著名人も参加している。
そんななか、ある俳優たちの間で寄付活動が行なわれている。それは、過去に「警官」を演じたことのある俳優たち。
警官役俳優が、警官役俳優に呼びかけ
この活動を始めたのは、コメディアンで俳優のグリフィン・ニューマン。ドラマ『ブルーブラッド 〜NYPD家族の絆〜』の2つのエピソードで警官を演じたことがあるという彼は、警官役をしたことのある他の俳優たちへこう呼びかけた。
「今現在、警察を演じている人？
警官を演じたことによって、再放送のギャラを毎年莫大な額受け取っている人？
計算してみなよ」
そして、約110万円の寄付を行なった証明書も公開したグリフィン。1人のユーザーから、「すごく莫大な額だね」と言われた時には、「ありえないほど酷いことが莫大な数起こっているからね」と返信していた。
俳優だけでなく制作陣も寄付
グリフィンのこの呼びかけには、他の警察役の俳優も反応。大人気ドラマ『ブルックリン・ナイン-ナイン』でローザ役を務めるステファニー・ベアトリスも、「私は今、テレビで警官を演じてる」と反応し、グリフィンのツイートの文章を引用。そして同じ金額を寄付した証明書を公開し、他の俳優たちも寄付するよう呼びかけた。
『ブルックリン・ナイン-ナイン』のキャストたち。
また、ステファニーが出演する『ブルックリン・ナイン-ナイン』は、番組のキャストと制作陣の連名で約1,100万円の寄付を行なったことを発表。「『ブルックリン・ナイン-ナイン』のキャストと制作陣は、ジョージ・フロイドの殺害を強く非難し、警察の残虐性に対して国をあげてプロテストを行なう多くの人々をサポートします」と声明を発表した。
アメリカで1990年から続く刑事ドラマ『LAW & ORDER（ロー＆オーダー）』シリーズでプロデューサーを務めたワーレン・レイトも、同じく寄付を行なったことをステファニーのツイートに返信している。
俳優じゃないけど…、寄付の輪が広がる
また、グリフィンとステファニーのこの活動は、さらに驚きの展開を見せた。それは、多くのファンも寄付をしたこと。グリフィンや、ステファニーのコメント欄には、こんなコメントと寄付の証明書が。
「中学生の頃に、クラスの劇で警察を演じました」「高校の演劇で警察を演じました」。さらには、こんな斜め上からのコメントも。「甥っ子にiPadで『パウ・パトロール』を見せたので」「昔『LAW & ORDER』シリーズを全部見て過ごしたので」。
グリフィンのアイディアは、Black Lives Matterを支持したいけれど、どう行動を起こせば良いのか分からないと感じていた人々が、行動を起こすきっかけとなったよう。（フロントロウ編集部）
