Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,Instagram
黒人に対する人種差別の撲滅を訴え、警察による行き過ぎた暴力の行使に抗議するデモ「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」に賛同する俳優のソフィー・ターナーが、あるSNSユーザーから投げかけられた「まだデモを続けるの?」との問いかけに秀逸な回答を返した。(フロントロウ編集部)

妊娠中のソフィー・ターナーが平和的デモに参加

 5月25日、アメリカ・ミネソタ州で白人警察官のデレク・ショーヴィン容疑者に首元を膝で9分近く圧迫されたことにより志望した黒人男性ジョージ・フロイド。事件後、ショーヴィン容疑者とその場にいた他3名の警察官は懲戒解雇となり、過剰な暴力の行使により非武装だったフロイド氏の命を奪った張本人であるショーヴィン容疑者は、現時点で最大で懲役40年となる可能性がある「計画性はないが興奮状態で意図的に犯した」第2級殺人の罪と第2級故殺の罪で逮捕・起訴となったほか、ショーヴィン容疑者の犯行をただ見守っていた元警察官トウ・タオ、ジェイ・アレクサンダー・クェン、トーマス・レーンの3名も第2級殺人幇助、第2級故殺幇助の罪で起訴されている。

画像: フロイド氏ゆかりの地であるテキサス州ヒューストンのある通りに出現した追悼アート。

フロイド氏ゆかりの地であるテキサス州ヒューストンのある通りに出現した追悼アート。

 フロイド氏の最後の瞬間を通行人が撮影した動画がSNSを通じて拡散されたことが引き金となり、これまでの歴史上、国の制度の中に組み込まれた人種差別の対象となり、不当な扱いを受け続けてきた黒人コミュニティの怒りが爆発。事件が起きたミネアポリスだけでなく、全米、そして世界中の都市で活性化した「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」をスローガンに掲げた人種差別抗議デモは勃発から2週間以上が経った6月9日現在も、収束の兆しを見せていない。

画像: 6月7日、ニューヨークのタイムズ・スクエア周辺で行なわれたデモの様子。

6月7日、ニューヨークのタイムズ・スクエア周辺で行なわれたデモの様子。

 黒人の人権向上に加えて、ずっと厳罰を与えられて来なかった警察官による蛮行を許すまじと訴えるムーブメントも兼ねている今回のデモには、数多くのセレブリティも参加。

 メガヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』や映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』への出演で知られるソフィー・ターナーも夫で人気バンド、ジョナス・ブラザーズやDNCEのメンバーであるジョー・ジョナスとともに、現在ジョーとの第1子を妊娠中の身重な体ながら、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された平和的抗議で一般の参加者たちと新型コロナウイルス 感染拡大防止のためにソーシャル・ディスタンスを確保しつつ、肩を並べた。

画像: ジョー・ジョナスとソフィー・ターナー。2人は2019年5月に結婚した。

ジョー・ジョナスとソフィー・ターナー。2人は2019年5月に結婚した。


デモを「まだ続けるの?」との問いに反論

 インスタグラムに“座りこみ”ならぬ“寝そべりこみ”をする様子や、「White Silence is Violence(白人の沈黙は暴力と同じ)」とプラカードを持つ様子の写真を投稿し、「正義が無ければ、平和も無い」とコメントしたソフィー。

 彼女のこのメッセージには、124万もの「いいね」がつき、妊娠中にもかかわらず自分が信じる正義のために行動を起こす姿には称賛の言葉が相次いだ。

 しかし、一部には、デモが激化するきっかけとなったフロイド氏殺害事件の犯人と共犯者である警察官たちが、全員逮捕・起訴となったことを受けて、もうそろそろデモは終わりにしてもいいのではないかと問う人も。あるフォロワーは、ソフィーの投稿に「正義は下されたんだから、もう平和が戻ってきてもいいんじゃない?」とコメントした。

 これに対し、ソフィーは、フロイド氏のほかにも、警察の行き過ぎた暴力の行使や誤認捜査の末の発砲により命を奪われた複数の黒人たちの名前を列挙しながら、こんな言葉で返信し、なぜデモの続行が不可欠なのかを簡潔に説明した。

「これは、4人の警察官だけに限った問題じゃない。ブリオナ・テイラー、トレイヴォン・マーティン、エリック・ガーナーのため、そして何百年もの間、制度化された人種差別に苦しんできた黒人たちのためにやっている事。これは、制度を変えるためなの。すべての人は平等だという私たちの信条を社会が反映した時にこそ、正義に到達できる。それまでは、平和なんて訪れない」

 ソフィーは、フロイド氏の事件が表沙汰になり、各地でデモがスタートした直後にも、「心が重い。人種差別に対して声を上げ、正義や平等のために戦っているすべての人たちを支持します。沈黙という選択肢はない」とSNSを通じてコメントしていた。(フロントロウ編集部)

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