タルサで選挙集会を行なったトランプ大統領
ドナルド・トランプ米大統領は米現地時間6月20日、オクラホマ州タルサで選挙集会を開催。これは今年の米大統領選に向けてのもので、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、およそ3ヶ月ぶりに行なわれた選挙集会となった。
トランプ大統領のキャンペーン・マネージャーを務めるブラッド・パースカル氏は集会の開催に先駆け、1万9,000人強を収容できるBOKセンターで行なわれる集会のチケットに、「100万件を超える」数の応募があったとツイートしていた。しかしながら、タルサの消防局がCNNに明かしたところによれば、実際に集会に集まった人数は6,200人に満たなかったという。
空席の原因はK-POPファンやTikTokユーザー?
多くの申し込みがあったにもかかわらず、蓋を開けてみたら空席が目立っていたというこの集会だけれど、米New York Postなどのメディアはこの空席について、K-POPファンやTikTokのユーザーたちが、実際には“行かない”前提で集会のチケットを独占したことが原因だと報じている。
一連のムーブメントは、K-POPファンたちがTwitterで、集会を空席にするためにチケットを申し込むよう訴えたことや、メアリー・ジョー・ラウプという女性がTikTokでチケットの買い占めを呼びかけたことがきっかけとなったよう。米The Washington Postによれば、トランプ大統領の集会を空席にしようと呼びかけたメアリーのポストは、現地時間6月21日夕方の時点で200万回を超える再生回数を記録していたという。その後、他のユーザーたちも彼女に続いて、チケットの独占を呼びかけ始めたと指摘されている。
@maryjolaupp Did you know you can make sure there are empty seats at Trump’s rally? ##BLM.
♬ original sound - maryjolaupp
メアリー・ジョー・ラウプがTikTokに投稿した動画。
キャンペーン・マネージャーのパースカル氏は、今回空席が目立ってしまった原因について、「急進的な抗議者」たちが会場周辺で支持者たちの入場を阻んだことや、「メディアによる壊滅的な報道のされかた」を要因にあげた一方で、女性としてアメリカ史上最年少で下院議員に当選したことでも知られる民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員は、パースカル氏に返信する形で次のようにツイートした。
「実際のところ、あなたはTikTokにいる10代の子たちに、してやられたの。偽のチケットの申し込みでトランプのキャンペーンを満杯にして、COVID(-19)の真っ只中に白人至上主義者(※トランプ大統領を指している)のマイクパフォーマンスを観たいと思う100万人もの人たちでアリーナがいっぱいになるって、あなたに思い込ませたのよ。Z世代(※)の子たちに感謝する、あなたたちのことを誇りに思う」
※1990年代後半~2000年に生まれた世代を指す。
Actually you just got ROCKED by teens on TikTok who flooded the Trump campaign w/ fake ticket reservations & tricked you into believing a million people wanted your white supremacist open mic enough to pack an arena during COVID
— Alexandria Ocasio-Cortez (@AOC) June 21, 2020
Shout out to Zoomers. Y’all make me so proud. ☺️ https://t.co/jGrp5bSZ9T
コルテス議員は別のツイートで、「K-POPのアライの皆さん、正義のための闘いにおける、皆さんの貢献にも私たちは気づいていますし、感謝しています」と、K-POPのファンたちへの感謝も綴っている。
KPop allies, we see and appreciate your contributions in the fight for justice too �
— Alexandria Ocasio-Cortez (@AOC) June 21, 2020
多くのメディアが空席の原因についてTikTokユーザーやK-POPファンが原因だと指摘している一方で、当然と言うべきか、トランプ大統領の陣営はこれを否定。パースカル氏が声明を発表して、「偽のチケットの申し込みは一切考慮に入れていない」とコメントし、偽の電話番号からの数字は元から申し込みの数字にはカウントしていないとした。アメリカの大統領選は各地での選挙集会を経て、共和党と民主党の大統領候補が正式に指名された後で、現地時間11月3日より最終的な大統領を選ぶ投票が行なわれる。
一方、K-POPのファンが政治的な目的でその強い結束力を示したのは今回が初めてではない。アメリカで人種差別の撤廃を求めるブラック・ライヴズ・マター運動が広まり、多くの抗議デモが行なわれるようになった際には、抗議活動での違法行為を通報してくれるよう呼びかけた警察に対し、K-POPアーティストのファンたちがコンサートや音楽番組の収録風景を撮影した「ファンカム」と呼ばれる動画を大量に送りつけたことが話題になった。(フロントロウ編集部)