クリストファー・ノーラン監督の新作『テネット』
これまでに、『ダークナイト』3部作や『インセプション』、『インターステラー』など、多くの作品を手掛け、熱狂的なファンが多いクリストファー・ノーラン監督。そんな監督の最新作『TENET テネット』は、全米では7月30日に、日本では9月18日に公開を予定している。
秘密主義のノーラン監督らしく、今作に関する情報はいまだに少ないが、国際スパイたちが“時間の流れをひっくり返して”第3次世界大戦を防ごうとするというストーリーラインになっている。
ロバート・パティンソンも出演
ジョン・デヴィッド・ワシントンが主役の本作では、メインキャラクターのひとりで、ニールと呼ばれる登場人物を、ロバート・パティンソンが演じている。現在は、マット・リーヴス監督による『ザ・バットマン』で主役バットマン/ブルース・ウェインにも抜擢されており、売れっ子のロバートだけれど、『TENET テネット』への交渉があった時には、仕事がなくてパニックだったほどだと、米EWで明かす。
「去年の始め頃にはロンドンにいたんだけど、何もすることがなかったんだ。だから、『LAに戻ってこないか』って電話が突然かかってきた時期には、(仕事がなくて)パニックになってた。監督に会いに行って、3時間くらい話したかな。なんのために会っているのかも、なにが議題なのかも分かってなかったよ。じつは、彼のフィルモグラフィを見て、彼の次の作品はどんなものになるか予想しようとしたよ。そして最後に、何時間も話してからやっと、最後の2分で監督はこう言ったんだ。『ここのところこれを書いていたんだけど、また戻ってきて台本読みしたいかい?』」
面接中にチョコレートを食べても良い…?
何時間も話すほど監督との面談は盛り上がったそうだけれど、それが原因で、ある出来事も起こってしまったよう。
「テーブルの上にチョコレートがあったんだよね。会話の最後のほうに血糖値がすごく下がってしまったんだ。すごく話したから気を失うかもしれないと思った。集中しようとしていたけどね。そしてやっと、チョコレートをひとつ食べても良いかと聞いたら、そのとたんに監督は面接を終わらせたから、『オーマイゴット。めちゃくちゃにしてしまった』と思ったよ」
仕事が欲しいと思っていた時期に、ノーラン監督の映画に出演できるかもしれないチャンスが降ってきたともなれば、ぜひ採用されたいと思うのは当然のこと。そんななかで、仕事と関係のないチョコレートを食べて良いか聞いたら、すぐに面接を切り上げられたともなれば、自分は落ちたとショックを覚えてしまっても仕方ない。
ロバートの立場であれば、ノーラン監督の反応は怖すぎたと思うけれど、もちろん、ノーラン監督は怒ったわけではなかった。その後無事にニール役を得たロバートは、ノーラン監督の頭の中を映像化するために本物の飛行機を破壊した撮影現場で、「本物の(ボーイング)747を爆破してシーンを撮影するなんて、現実だとは思わないだろう。あまりに大胆すぎて、もはや可笑しいよね。撮影中は、『映画の中で何回こんなことは起こるんだ?』って考えていたよ」と思っていたことを明かしている。(フロントロウ編集部)