メーガン妃、英王室は自分を「守ってくれなかった」
夫ヘンリー王子とともに、2020年3月末にイギリス王室の主要王族の座を退いたメーガン妃は、2018年に自身が実父トーマス・マークルに宛てた手紙を無断で掲載したとして、Mail on Sunday、Daily Mai、Mail Onlineを運営するイギリスの出版社「Associated News Papers(アソシエイテッド・ニュースペーパーズ)」を訴えている。
メーガン妃は、プライバシーや著作権の侵害、個人情報の不正利用、データ保護法の違反を主張して、同社に損害賠償を求めているが、新たな裁判書類のなかで、メーガン妃が、ロイヤルファミリーは、メディアによる過剰報道から自身を十分に「守ってくれなかった」と感じていたことが明らかになった。
英BBCが入手した裁判書類によると、弁護人は、メーガン妃がMail on Sundayをはじめとするタブロイド紙の偏った報道により、多大な精神的ダメージを被ったことを強調した。
「原告(メーガン妃)は、英国内のメディア、とくに被告(メール・オン・サンデー)による膨大で、事実ではない、損害を与えるような報道の標的となり、とてつもなく大きい精神的苦痛を被り、心の健康を害されました」。
今回の裁判で、被告側は、Mail on Sundayがメーガン妃がトーマスに宛てた手紙を公開したのは、メーガン妃の友人5人が米People誌と匿名でインタビューを行ったためだと説明。
友人らはインタビューの中で、メーガン妃を擁護し、手紙について語ったが、トーマスによると、彼らが語った内容は、実際のものとは異なり、自身にとって不利となる情報となったことから、トーマスが保身を目的に手紙の公開に応じたためだとしている。
これを踏まえ、メーガン妃の弁護人は、このようにも陳述している。
「メーガン妃の友人たちは、それまで彼女があんなにも追い込まれているのを目の当たりにした事がなく、当然のごとく、彼女の心身の健康を心配しました。とくに、彼女は、当時妊娠中で、王室という機関からも守られていないと感じており、自分自身を防衛することも禁じられていました」
メーガン妃のために立ち上がった友人5人の正体が明かされる?
要約すると、弁護人は、メーガン妃に関するメディアの偏った報道に対して、王室は策を講じてはくれず、当時、長男アーチーを妊娠中だったメーガン妃を守ってはくれなかった、さらにメーガン妃が自ら反論する自由も与えなかったため、それを不憫に思った友人たちが、メーガン妃を擁護したと主張しているということ。
弁護人いわく、メーガン妃は、当時、友人たちが自分のためにPeopleとインタビューを行なった事は知らなかったといい、彼女にその事実を伝えたのは、ヘンリー王子だったという。
友人たちがPeopleとのインタビューに応じた理由について、弁護人は、王室から、メーガン妃と親しい人物たちに、“いかなるメディアから取材を申し込まれてもノーコメントを貫くように”とお達しがあり、それがたとえ、まったくのデタラメでメーガン妃にとって不利になるネタだとしても、答えてはいけないとの緘口令が敷かれたことに反抗したのではないかと推測。今後、この5人の正体を明らかにする意向も示している。
5月始めに行なわれた第一審では、メーガン妃の弁護人が主張した「出版社が手紙の一部だけを抜粋し虚偽の記事を書いた」、「記事が出たことにより、メーガン妃と父トーマスの関係が悪化した」、「メーガン妃を意図的に攻撃する記事を掲載した」という3点は、著作権侵害、個人情報の不正利用、データ保護法の違反という、訴えの内容とは直接関係がないとして、メーガン妃側の主張を却下すると判事が裁定。出版社側に有利となっていたが、今回の主張は裁判にどんなインパクトを与えるのか?
ちなみに、トーマスに送った手紙の内容について、メーガン妃は「マスコミにいいように操られるのはやめて」と書いたことを認めているが、トーマスを責めるかのような「お父さんに騙されたように感じる」という一文は書いていないと主張。Mail on Sundayが手紙の内容に手を加えて掲載したと訴えている。(フロントロウ編集部)