カーディの“自覚なき人種差別的発言”が炎上
ラッパーのカーディ・Bと言えば、普段から歯に衣着せぬ物言いが何かと話題になり、ときには、問題発言が注目を浴びることも。
そんな彼女が、先日、最愛の娘であるカルチャーの将来の風貌について言及したインスタグラム投稿の中に、アジア人に対して人種差別的ととれる表現が含まれており、物議を醸している。
ことの発端は、カーディーがネット上で見つけた、“大人になったカルチャーの姿”を予測する合成画像をインスタグラムで公開したこと。
この画像は、カーディと彼女の夫でラップグループ、ミーゴス(Migos)のメンバーのオフセットの顔写真を画像加工ソフトを使って作成された、よくあるタイプの合成画像。
カーディはこの画像を「ふーん、これがカーディーが大人になったときの姿ってわけ? 」というコメントを添えて公開したのだが、あるフォロワーが、“カルチャーの未来の姿”がカーディーの妹のヘネシー・キャロライナにそっくりだと驚くリアクションを寄せた。
するとカーディは、このユーザーに返信し、なぜ、自分の娘であるカルチャ―の未来予想画像が、夫のオフセットと妹のヘネシーをミックスしたような風貌として抽出されたのかを彼女なりに分析。そのコメントの中に含まれていた“ひと言”に多くのユーザーが難色を示した。
「ヘネシーの目はオフセットみたいに“チンキー”だからだと思う。だからカルチャーもそうなのかな。思い当たるのはそれだけ」
カーディーが何気なく発したコメントにある「チンキー(chinky)」という言葉は、英語では「隙間の多い」という形容詞である一方で、中国をはじめとするアジア人への人種的中傷でもあることで知られている。
カーディーは、自分の妹であるヘネシーと夫のオフセットがアジア人風の切れ長の目の持ち主であることから、カルチャ―もそれを受け継いでいるらしいと言いたかったようだが、侮蔑的であるとタブー視されている言葉をチョイスしたことでフォロワーたちから指摘が殺到。
自分のファンたちからも「カーディー、それは言っちゃいけないやつ」、「え、“チンキー”って言った?」、「その言葉は、人種的中傷として知られている言葉だよ。君のファンだけど、お願いだから、今すぐあのコメントを削除して」と行動を正すようリクエストが寄せられた。
カーディが反応「知らなかった」
「#CardBisOverParty(カーディー・Bは終わった)」といった、カーディが今回の発言で失脚することを予想するハッシュタグが頻用されるなか、カーディは、該当のインスタグラム投稿を削除。
しかし、その後、ツイッターを通じて、反省どころか、ほぼ逆ギレの反応を示し、反対派の怒りを煽った。
「“チンキー”な目っていう表現が中傷にあたるなんて知らなかったんだもん! 私だって何でも知ってるってわけじゃないんだから‼みんなも侮辱するつもりじゃなくて使う場合だってあるし、私は侮蔑的な意味では使ってない。ネットにはもうウンザリ」
このカーディの言い分には、「知らなかったからという理由では済まされない」、「素直に謝罪するべきだ」という意見が多くある反面、じつは自分も「“チンキー”という言葉が侮辱的な言葉だとは知らなかった」と告白する多くのユーザーが続出。
カーディの発言が炎上していることで、初めてこの言葉が人を傷つける可能性がある表現だと知ったという人も多くいた。
カーディがSNSで侮蔑的な言葉を使ったと批判を受けたのは、今回が初めてではない。2018年には、トランスジェンダーに対する中傷語が使われたインターネット・ミーム(※)をフェイスブックで引用して、トランスジェンダーコミュニティーから批判を受けたことも。
※ネット上で流行するネタ画像や動画などの総称。
当時は、ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』に出演するトランスジェンダー女優のラヴァ―ン・コックスやドラマ『POSE/ポーズ』のトランスジェンダー女優アンジェリカ・ロスといった著名な人物からも、トランスジェンダーへの偏見や差別を助長することに繋がると怒りの声が上がったが、カーディは、投稿を行なったのは、自身ではなくフェイスブックを管理していたスタッフの仕業だと説明。その後しばらくSNSから距離を置いた。
昨今は、ご存知の通り、世界中で人種差別を巡る論争が激化。今回の自覚無き人種差別的用語の使用に関して、カーディは今後どう出る?
ちなみに、カーディは、つい最近、インスタグラムの裏アカウントを開設して、過去に大バトルを繰り広げたことで知られるニッキー・ミナージュや、ニッキーと親しくするシンガーのアリアナ・グランデといった、ほかのアーティストの悪口を書き込んでいたという疑惑が持ち上がり、ネット上で“キャンセル”されそうになったばかり。実際にはアカウントは別の誰かが運営していた偽物で、カーディには非は無かったが、今回の反論の中にあった「ネットにはもうウンザリ」という発言には、この件も影響しているものとみられる。(フロントロウ編集部)