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ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演した俳優のエミリア・クラークが、撮影中の“熱中症対策”に関して、男性キャストたちのほうが自身を含む女性キャストたちよりも優遇されていたと、不平等だと感じた実態を明かした。(フロントロウ編集部)

『ゲーム・オブ・スローンズ』、キャストたちの衣装の仕掛けに“男女差”

 アメリカ人作家ジョージ・R・R・マーティンによる小説シリーズ『氷と炎の歌』を原作とするファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GoT』)は、米HBOで2011年の春から2019年5月まで約8年間にわたり計8シーズンが放送。

 七つの王国を征服し、倒した敵の剣を溶かして作られた「鉄の玉座」を巡る個性豊かな登場人物たちの戦いに、ドラゴンやゾンビのような“ホワイトウォーカー”という超自然的脅威も絡んでくる複雑な物語は、世界中のファンを熱狂させ、最終回の放送翌日にはアメリカで1,000万人以上のファンが“病欠”を計画したほどの“GoTロス”を引き起こした。

画像: ©HBO / Album/Newscom

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 物語の最終的な“着地の仕方”には、賛否両論あるものの、前日譚となるスピンオフシリーズ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン(原題:House of the Dragon)」の制作が2022年の米放送を目指して進められ、注目を集めるなど、まだまだファンたちの心をがっちりと掴んで離さない。

 『GoT』のなかでも、ファン人気が最も高いメインキャラクターの1人である、カリーシことドラゴンの母、デナ―リス・ターガリエンを演じたのが、映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』や『ラスト・クリスマス』への出演でも知られる俳優のエミリア・クラーク

 エミリアといえば、これまでにも、同作のシーズン1に頻出したヌードシーンの撮影の仕方に意見したり、露出の多い衣装を着用していた別の女性キャストが、エキストラの男性たちから不適切なコメントを投げかけられた際に救いの手を差し伸べるといった、『GoT』の撮影現場における、性差別に立ち向かってきたことで知られる。

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 そんなエミリアが、また新たに、『GoT』の現場で経験したジェンダーに基くダブルスタンダードについて暴露。

 エジンバラ国際テレビジョンフェスティバルに参加し、『GoT』の荘厳な衣装について言及したエミリアは、夏の暑い中で行なわれた撮影で、男性キャストには熱中症対策としてきちんとした装備が用意されたのに、自身を含む女性キャストには、何の配慮もなかったと当時を振り返った。

「(キット・ハリントンが演じた)ジョン・スノウみたいにナイツ・ウォッチ(冥夜の守人)の一員を演じた男性の俳優たちは、みんなマンモスの毛皮みたいなものを着てたでしょ。彼らが装備をして暑い国で撮影をしている時は、じつは、衣装に冷たい水を入れて熱を冷却できるポンプ式の装置が仕込まれていて、クールダウンできるような仕組みになっていたの。
でも、女性キャストがそういったものを使うことは許されてなかった。私にできた暑さ対策はは、ウィッグをちょっと持ち上げてもらうことぐらい。すごくキツかった。ウィッグを被っていたし、冷却パックもつけてもらえないし、自分で保冷剤を当てたりするしかなかった」

 ナイツ・ウォッチの衣装の下にそんな装置が隠れていたとは驚きだが、熱中症は性別に関係なく陥ってしまうトラブルなのに、性別によってそこまでスタッフの対応が違うというのは、エミリアが首を傾げる通り、確かにおかしい。

 一体なぜ男女差が生まれてしまったのかは不明だが、とにかく過酷な暑さに耐えながら撮影を乗り切ったというエミリア。画面上ではそんな気配は微塵も見せていないが、たとえプロだからとはいえ、健康を害する恐れがある理不尽な我慢を強いられるような状況は改善されなければならない。(フロントロウ編集部)

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