ブラックパンサー俳優、43歳で死去
マーベル映画『ブラックパンサー』で主人公ブラックパンサー/ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンが、43歳という若さでがんにより他界。死後に代理人から発表された声明にて、2016年にステージ3のがんと診断され、映画撮影のあいまに手術や化学療法を4年間も続けていたことが初めて明かされた。
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のスーパーヒーローの早すぎる死と、彼がブラックパンサー役を演じながらずっとがんと闘っていたことは多くの人が驚かされ、マーベル・ファミリーやマーベル・ファンをはじめ世界中から追悼するコメントが発表された。
そんななか、チャドウィックの友人であり、映画『美女と野獣』のル・フウ役や『アナと雪の女王』のオラフ役で知られるジョシュ・ギャッドが、チャドウィックとの生前最後のやりとりを公開。そこには、チャドウィック・ボーズマンという人間の偉大さが表れていた。
チャドウィック・ボーズマン、生前最後に送ったメールのひとつ
チャドウィックとプライベートでも親交があったジョシュは、チャドウィックの訃報が伝えられた後、ツイッターを更新。
ジョシュは、「これが、素晴らしい人間であり、二度とない才能を持っていたチャドウィック・ボーズマンが僕に送った最後のメールのひとつ。これを読んで、人生を祝福してほしい。彼はすべての瞬間がどれほど大事かわかっていた」と前置きし、雨続きで憂うつな天気になることが予報されたときにチャドウィックが送ってきたというメールのスクリーンショットを公開した。
以下、メールの全訳。
「君がロサンゼルスにいるなら、君は、ここでは珍しい平穏な雨の音を聞いて起きたはずだ。君が僕と同じならば、君はすでに今週の天気予報を確認していて、向こう3日は晴れ間の一切ない、じっとりとした憂うつさが続く、どしゃぶりの雨予報であることを知っているだろう。まったく。コロナウイルスのせいで自宅に缶詰め状態なうえに、カリフォルニアから太陽がなくなるだなんて。かんべんしてくれよ!
しかし、雨が止んで今日の嵐が去った今、君に強くお願いしたい。外に出て深く深呼吸をしてくれ。ずっと必要としていた雨を今日ついに得て、とめどないLAの通勤車両の排気ガスから3週間解放されたロサンゼルスの空気の新鮮さを感じてほしい。
この瞬間を吸って、吐いて。そして今日という日のユニークな美しさと脅威を神に感謝しよう。僕たちは神の簡潔な創造を楽しむために、すべての瞬間を生かすべきだ。それは、青く晴れた空と太陽かもしれない。憂うつな雲り空かもしれない。
そしてほら、今日の空気がここまできれいならば、もし明日雨になったとしたら、外に瓶を置いて雨を貯めようかな。その雨をウォーターフィルターに通せば、どんなボトル入りのブランドにも勝るアルカリ性な水を手に入れられる」
雨続きという天気予報を見て、わざわざ友人にメールを送って、小さなことに幸せを感じよう、見方によっては雨も良いことだ、と思い出させたチャドウィック。その行動からは、彼が生きていることの一瞬一瞬を大切にしていたことだけでなく、他者の幸せをどれだけ思いやっていたかが分かる。
Breaking my twitter silence to share some beauty. This was one of my final texts from the brilliant & once-in-lifetime talent, @chadwickboseman - take this in & celebrate life. He knew how precious every moment was. Tonight the Heavens received one of its most powerful angels. pic.twitter.com/Hj8Cb1IfZS
— Josh Gad (@joshgad) August 29, 2020
ジョシュはインスタグラムにも動画をアップしており、ここでは、「チャドウィックはブラックパンサー役だっただけでなく、リアルライフでティ・チャラだったんだ。彼は与えて、与えて、与える人だった」と、涙ながらに亡きスーパーヒーローを追悼した。(フロントロウ編集部)