Photo:ゲッティイメージズ,スプラッシュ/アフロ,ニュースコム
刑務所内で囚人仲間からの襲撃を受けたシンガーのR.ケリー。新たに明らかになった、その襲撃の内容が、まるで映画かドラマの世界で起こったことかのように恐ろしすぎる。(フロントロウ編集部)

R.ケリー、囚人仲間による襲撃事件の詳細が明らかに

 児童ポルノ所持など10件以上の容疑で逮捕され、さらに被害者への脅迫、証拠隠滅、政府関係者に賄賂を渡したとして逮捕・起訴されたシンガーのR.ケリーが、約1年前から身柄を拘留されているイリノイ州にある連邦刑務所シカゴ・メトロポリタン矯正センター(MCC)で、同施設に収容されている別の囚人から暴行を受けたというニュースを先日フロントロウでもお伝えしたが、その襲撃のヤバすぎる詳細が裁判記録により明らかになった。

画像: 2019年2月に公開されたR.ケリーの逮捕写真。

2019年2月に公開されたR.ケリーの逮捕写真。

 米TMZによる第一報では、R.ケリーに襲撃を仕掛けた囚人は、R.ケリーの独房に突如侵入し、ベッドに腰掛けていたR.ケリーを激しく殴打したと伝えられたが、この囚人のR.ケリーへの暴力行為は、殴打だけではなかったことが、米Paige Sixが入手した資料により判明。

 この囚人がR.ケリーの寝込みを襲ったことや、手には武器としてペンを所持しており、それを使ってR.ケリーを刺そうとしていたことも明らかに。

 さらに、R.ケリーを担当するスティーブ・グリーンバーグ弁護士の供述によると、この囚人はR.ケリーを何度も殴っただけでなく、足で何度も頭を踏みつけるといった、あわや重傷を負わせかねない行動にも出ていたという。

 幸い、別の囚人がその場に駆けつけて止めに入ったため、R.ケリーが刺されることはなく、すぐに医師の診察を受けたが、深刻なケガはなく軽傷で済んだそう。その後、R.ケリーは念のため、より安全な独居房に移されたという。

画像: R.ケリー、囚人仲間による襲撃事件の詳細が明らかに

 グリーンバーグ弁護士は、「この囚人は、ケリー氏に近づくことができる状況にあるべき人物ではありませんでした。この人物は最も凶悪な犯罪で逮捕されており、(刑務所内の)規範に対して何のリスペクトもない人物です。彼の顔面には『Fu** The Feds(警察なんてクソ食らえ)』というタトゥーが入っているのですから」と、凶暴な囚人がR.ケリーに難なく接近することができるような状況を許していたMCC側の管理体制を批判している。


弁護側はR.ケリーの釈放を訴えている

 R.Kellyを襲った囚人は、過去数回にわたって施設の外で人々がR.ケリーを擁護する抗議デモを行なったことで、施設全体がロックダウンを余儀なくされたことに憤っていたと関係者がTMZに語っていた。

 しかし、グリーンバーグ弁護士は、抗議デモはいたって穏やかに行われており、ロックダウンの必要はないと主張。不要な“VIP対応”がほかの囚人たちのR.ケリーへの敵対心を誘発していると指摘している。

 弁護側は、これまで、R.ケリーが今後行なわれるいくつもの裁判を待つ間、刑務所に投獄されている必要はないと再三釈放を求めており、グリーンバーグ弁護士は、今回の襲撃事件の直後にも、ツイッターを通じて「もうケリー氏を釈放する時なのではないでしょうか。政府は彼の安全を保障できず、裁判の日程も決めることができないのですから。適正手続きができないからといって、人々を漠然と投獄するべきではないのです!」と世論に訴えようとしていた。

画像: R.ケリーと彼の担当弁護士スティーブ・グリーンバーグ。

R.ケリーと彼の担当弁護士スティーブ・グリーンバーグ。

 「アイ・ビリーブ・アイ・キャン・フライ」や「イグニッション」などのヒット曲で知られ1990年代に一世を風靡したR&BシンガーのR.ケリーは、10年以上にわたって性的暴行を受けたという複数の女性たちから告発を受けていたが、2019年1月に被害者たちやその家族らが集結し、彼の性犯罪を告発・糾弾したドキュメンタリー番組『Surviving R. Kelly(サバイビング・R.ケリー)』が放送されたことで、警察の捜査が開始。

 番組放送から約1カ月後の2019年2月に10件以上の罪で逮捕されたほか、6月にも4件の加重の性的暴行、2件の強姦、2件の加重の性的虐待、そして13歳~16歳に対する加重の性的虐待が3件という計11件の罪で逮捕された。

画像: 弁護側はR.ケリーの釈放を訴えている

 さらに、その後の調べで、被害者たちやその家族を口止めするために、仲間を使って車を燃やすなどの脅迫をしたことや、1999年当時まだ15歳の未成年だったシンガーの故アリーヤと極秘結婚するために、イリノイ州の政府関係者に賄賂を渡していたことなども判明。それらの罪にも問われている。

 R.ケリーの弁護チームは、全米の刑務所で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを理由にR.ケリーの釈放を求めたが、裁判所はこの訴えを却下している。(フロントロウ編集

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