エミネム、不法侵入者と鉢合わせた事件に新展開
ミシガン州デトロイトにある自宅での就寝中に、見知らぬ男が自宅に侵入するという背筋が凍るような事件を経験したラッパーのエミネム。
玄関を厳重に警備していた警備員の目を盗み、舗装用の敷石で裏の勝手口の窓を割ってエミネム宅に侵入したマシュー・デヴィッド・ヒューズ容疑者(27)が、第一級住居侵入罪と建造物損壊の容疑で駆けつけた警察に逮捕されたというニュースは、フロントロウでもお伝えした。
この事件の詳細が、発生から約5カ月が経った9月9日に行なわれた予審で明らかに。捜査にあたった警察官の証言では、第一報では伝えられなかった衝撃的な内容が語られた。
Detroit Free Pressによると、事件が起きた早朝に1時間以上にわたってエミネムから聞き取り調査を行なったというアダム・ハックストック警察官は、事件当夜、エミネムは、自身の背後にヒューズ容疑者が立っている気配に気づいて目を覚ましたと語っていたと証言。
エミネムは、当初、この男性が自分の甥だと思ったが、すぐに見知らぬ男性であることに気づいたとも話したという。
ハックストック氏は、「マザーズ氏(エミネムの本名の姓)が、彼になぜここに居るのかと問いかけたところ、ヒューズ容疑者は彼を『殺すために来た』と答えたといいます」と、ヒューズ容疑者がエミネムを殺害するつもりで、彼の自宅に忍び込んだようだと証言した。
冷静沈着な行動
普通ならば自宅に見知らぬ男が侵入し「殺すために来た」と言われたら、かなり取り乱してしまいそうなもの。
ところが、ハンストック警察官がエミネム本人から聞いたという話によると、エミネムは、ヒューズ容疑者と鉢合わせたあと、同容疑者をテレビ鑑賞用の部屋からゲーム用の部屋、そして、敷地内にあるバスケットボール場を通って出口までエスコートし、退出するよう誘導したのだという。
2人の間でどんな会話がなされたのかは不明だが、その後、エミネムはヒューズ容疑者を警備員に引き渡したようで、ハンストック警察官が通報を受けて現場に到着した時には、ヒューズ容疑者は警備員と地面で揉み合いになっていたという。
ヒューズ容疑者は武器などは所持しておらず、幸い、エミネムに危害が加えられることはなかった。しかし、もしもエミネムが冷静に対処しなかったら、最悪の結果を招いていた可能性だって考えられる。
今回の予審で、ハンストック警察官がヒューズ容疑者がエミネムに対して殺意を抱いていたようだと証言したことにより、裁判官は事件性があるとして、裁判へ持ち込む必要があると判断。ヒューズ容疑者の罪状認否は9月28日に行われる予定。
事件当時はホームレスだったというヒューズ容疑者。4月の逮捕以来、マコーム郡警察署で拘留されている同容疑者について、彼の弁護人は、精神的な問題が事件を引き起こした可能性もあるとして、精神鑑定を求めたが却下された。(フロントロウ編集部)
※地名の表記に誤りがあったため、修正しました。