懲役2年の刑期を終えたテカシ・シックスナイン
今年6月にリリースしたニッキー・ミナージュとのコラボ曲「トロールズ(Trollz)」が初となる全米シングルチャートの1位を獲得し、先週9月4日にはセカンド・アルバム『タトル・テイルズ』をリリースしたテカシ・シックスナイン。
再び音楽活動に本腰を入れ始めたテカシだけれど、彼は2018年、所持していた銃による発砲や恐喝、さらにギャング関連の麻薬取引や武装強盗に関与していた容疑で逮捕され、最近まで刑務所で服役していた。
当初は終身刑もしくは最短でも懲役25年の実刑判決を言い渡される可能性があると言われていたものの、その後、すべての容疑を認め、司法取引をして警察に協力する道を選び減刑となり、米現地時間8月2日をもって、晴れて刑期が満了に。最初の頃は刑務所で服役していたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、4月2日に出所し、以降は自宅にて残りの服役期間をまっとうした。
精神的にかなり追い込まれたと告白
自身と関与があったギャングメンバーによる犯罪に関して情報提供するという司法取引をしたことで、刑期が減刑されたテカシは、「チクリ屋」と批判されることも多い。
自身も楽曲「Gooba(グーバ)」で「俺がギャングについてチクったって?どうやったか教えてみろよ」と歌って煽るなどしているテカシだけれど、実際のところは「チクリ屋」と批判されることに不満を感じているようで、米Foxとのインタビューで心のうちを明かした。
テカシによれば、元ギャング仲間が自分を裏切り、殺害する計画を立てていたのだといい、警察に彼らの情報を提供するのは生き残るための唯一の手段だったそう。
「オーディエンスはわかってくれていると思う。一般の人たちも、世間もわかってくれているはず」と、あくまで自分を守るために情報を提供にすぎないとした上で、「それなのに、アイツらは『こいつはチクリ屋だ』ってレッテルを貼ってくる」とテカシ。「チクリ屋の定義は何だよ、っていうさ。チクリ屋やネズミ野郎(※)の定義は、友達に対してのものだと思ってる」と、“友人”を裏切ったわけではないと指摘した。
(※)ネズミを意味する“rat”も“チクリ屋”という意味で使われることがある。
テカシは刑務所内で精神面の問題に悩まされたといい、「誰しも自殺を試みようとするんじゃないかな。刑務所にいた時に、そういうことを考えたよ」と、自殺を考えてしまうまで追い込まれていたことを告白。「ものすごいストレスでね。プレッシャーもすごかった。毎日ニュースで自分のことをやっているわけでさ。次から次へと報じられて、いつになったら終わるんだろう?って」と、自身のことが連日報道されていたことに耐えられなかったと明かした。
現在は自身の安全を確保するため、常に8人のボディーガードを帯同させているというテカシ。おかげで自由に生活できていると考えているようで、「無敵というわけではないけど、メンタル面では絶好調だよ。『きっと大丈夫だろう』と思えるくらいにね」と、今は前よりは安心して日常生活を送れていると語った。(フロントロウ編集部)