ジョン・スノウのような役柄はもうこりごり!?
2019年5月に惜しまれつつも放送が終了した、大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウ役でおなじみの俳優キット・ハリントンが、今後、ジョン・スノウのような役は「もう演じたくない」と英The Telegraphのインタビューで明かした。
キットにとって『ゲーム・オブ・スローンズ』は自分を俳優として一躍有名にしてくれた出世作であり、ジョン・スノウはまさに彼にぴったりのハマり役だった。しかし、この先ジョン・スノウのようなストイックなヒーローを演じるつもりはないそうで、その理由について「今、世界が必要としているのは“男らしさを象徴する役”ではないと思うから」と説明。
続けて、「男性は感情の面で問題を抱えている。(その問題とは)閉塞感だ。その閉塞感こそが第二次世界大戦を引き起こし、祖父から父へ、父から息子へと受け継がれ、今も根強く残ってると僕は思ってる。僕を含め、男性はあまり自分の気持ちについて話すことがない。弱みを見せるのは男らしくないという考えがどこかにあるからだ。(そういった風潮を変えるためにも)口数の少ない、英雄的な役はもう演じたくないと思った」と、ジョン・スノウのような人間を否定するわけではないが“今の時代に合わない”と持論を展開した。
ちなみに、キットが“男らしさ”や“女らしさ”といった概念を覆したいと思うようになった背景には、「自分にとってのアイドル」と公言する母で元劇作家のデボラ・ジェーン・キャツビーの存在が大きく影響しているそうで、「子供の頃、母にマイティ・マックスが欲しいと言ったら、ポーリー・ポケットを買ってきたんだ。アクションフィギュアをお願いしたのに、僕のもとにやってきたのは人形だった。とてもジェンダー・フルイド(※性別が流動的であること)な経験だったね。以来、それにならって生きてきた」と、現在の彼と彼の考え方の基礎となる幼少期の出来事について振り返っている。(フロントロウ編集部)