ヤラ・シャヒディがティンカー・ベル役に抜擢
ディズニーが実写版『ピーター・パン』として制作する映画『ピーター・パン&ウェンディ(Peter Pan & Wendy)』で、妖精のティンカー・ベル役に俳優のヤラ・シャヒディが抜擢されたことが米Deadlineの報道で明らかになった。
同作では、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズや『キャプテン・マーベル』のジュード・ロウがフック船長役を務め、ピーターパンには新人のアレクサンダー・モロニ―、ウェンディ役には、映画『バイオハザード』シリーズで知られるミラ・ジョヴォヴィッチと映画監督のポール・W・S・アンダーソン長女エヴァー・アンダーソンがキャスティングされたことが、すでに伝えられている。
有色人種のティンカーベルは初
イギリス人劇作家ジェームス・マシュー・バリーのおとぎ話『ピーター・パン あるいは大人になりたがらない少年』を下敷きとする、“大人にならない少年”のピーター・パンを主人公とした映像作品は、これまで、いくつも制作されており、1953年には、ディズニーが長編アニメーション作品『ピーター・パン』を公開。
世間で最も馴染みが深い同作では、原作者バリーによる設定に基づき、ティンカー・ベルの容姿は、肌は白く、髪はブロンドのお団子へア、目は青く、グリーンのミニドレスを着て尖った靴を履き、背中には羽が生えている、といった描写となっている。
有色人種の役者がティンカー・ベル役に起用されるのは、アフリカ系アメリカ人の母とイラン系アメリカ人の父を持つヤラが初めて。
ヤラは、自身がティン・カーベル役にキャスティングされたとのニュースが世に出た直後、ティンカー・ベルを彷彿とさせるドレスを着た写真を公開し、「レッツゴー#ティンカーべル」と、ブラウンの肌色の妖精の絵文字を添えて意気込みをコメントした。
アクティビストとしても注目を浴びるヤラ
4歳から子役として活躍しているヤラは、アメリカで放送中のドラマ『Black-ish(原題)』と、そのスピンオフドラマ『Grown-ish(原題)』に出演しているほか、2019年には、ドラマ『リバーデイル』のチャールズ・メルトンと共演した恋愛映画『サン・イズ・オールソー・ア・スター 引き寄せられる2人』に主演。
俳優業と並行して、アフリカ系やアジア系をはじめとする有色人種の権利向上を熱心にPRしているアクティビストとしても知られ、インスタグラムのフォロワー数は530万人を優に超えている。
2016年には米TIME誌が選ぶ「世界で最も影響力を持つ30歳以下の30人に選ばれ、2017年にも同誌の「世界で最も影響力を持つティーン」にも選出。
2019年の国際女性デーを記念して米玩具メーカーのマテル社が発表した、世界の様々な分野で活躍する女性著名人を模したバービー人形のコレクション「Shero(シーロー)」にも、ヤラをモデルにしたバービー人形が並んだ。
ディズニーアニメでは白人として描かれた人気キャラクターに、実写版では有色人種の役者がキャスティングされるというのは、主人公のアリエルに黒人の血を引くハリー・ベイリーが起用された『リトル・マーメイド』の実写版映画に次ぐ試み。
ハリーがアリエル役に抜擢されたことが報じられた際には、一部で批判の声が上がる一方で、今まで、ディズニー作品をはじめとする多くの映画やドラマで、主役を演じる機会が得られなかった黒人コミュニティに大きな希望を与えた。
dream come true...♀️pic.twitter.com/sndjYUS6wO
— chloe x halle (@chloexhalle) July 3, 2019
ヤラのティンカー・ベルへのキャスティングに関しても、異論を唱える人がいる可能性は否めない。しかし、当人は、ティンカー・ベル役にキャスティングされたことを、とても嬉しく思っているよう。
1つ気になるのは、ディズニーアニメ版『ピーター・パン』では、ティンカー・ベルは言葉を話さないけれど、実写版では、ヤラ演じるティンカー・ベルがおしゃべりをするのかということ。
2008年に公開された、ティンカー・ベルが主人公のディズニーアニメ『ティンカー・ベル』では、ばっちり台詞があるが、はたして?
映画『ピーター・パン&ウェンディ』のメガホンを取るのは映画『ピートと秘密の友達』で監督と脚本を務めたデビッド・ロウリー。同作は、当初ディズニーの動画配信サービス、ディズニー+(Disney +)だけで公開されるというウワサがあったが、劇場での公開を目指しているようだと伝えられている。(フロントロウ編集部)