現在は活動休止中のフィフス・ハーモニー
2012年7月にアメリカ版のオーディション番組『Xファクター』で結成され、今年結成8周年を迎えたガールズグループのフィフス・ハーモニー。
アリー・ブルック、ダイナ・ジェーン、ロウレン・ハウレギ、ノーマニ・コーディ、カミラ・カベロの5人で結成された彼女らは、2016年12月にカミラがグループから電撃脱退したことをきっかけにメンバー間の不仲説が浮上し、2018年に活動休止を発表。現在はそれぞれのメンバーがソロとして活動している。
アリー・ブルックが過去のセクハラ体験を告白
今回、アリーが米ポッドキャスト『Hollywood Raw』に出演。フィフス・ハーモニーに「いろいろなことが起きていた時期」について振り返り、当時、周囲に助言を求めようとしていたことを明かした。
「グループにいろいろなことが起きていた時期があって、私自身も多くのことを抱えていたの」とアリーは告白して、「周囲の人たちに助言をもらおうと、助けを求めようとした。必死になっていたところがあったの」と当時を回想した。
アリーによれば、当時、ある1人の人物から支援を持ちかけられたそう。しかし、残念ながらその人物には他の思惑があったようで、アリーは当時の出来事について次のように告白した。
「音楽業界の重役の人が、『僕のところに来なさい。助けてあげられるよ』って言ってきたの。それで、その人のところへ行くと、紐状の下着を渡してきて、こう言われたの。『きっと君にすごく似合うと思うよ』って」
「本当に屈辱的だったし、ショックで、吐き気がした」とアリー。「私にはどうすることもできないのねって思った。悲しいことに、当時はこういうことを耳にしたことはあっても、何かがなされることはほとんどなかったから」と、音楽業界では女性が男性からセクシャルハラスメントを受けることが多々あったとした上で、「(男性たちが)行動の責任を問われることは(ほとんど)なかった」と述べた。
「絶望と孤独を感じた。次第に情けなくなって、恐ろしさすら覚えた。『私に何ができるだろう?』って。私はグループにいる幼い少女の1人に過ぎなくて、力を持っていたのは(重役のような)そういう人たちだったから」とアリーは続けて語り、業界の重要なポジションに身を置く男性たちが権力を持っていたために、グループのメンバーの1人に過ぎなかった自身は無力だと感じてしまっていたと振り返った。
アリーのエピソードが具体的にいつの出来事だったかは定かではないものの、エンターテインメント業界を中心に、世界では2017年からセクハラを告発する#MeToo運動が活発になったほか、女性差別や不平等の時代に「時間切れ」を告げる#TimesUp運動が盛んになった。
これらの運動は、多くの俳優が映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタイン被告から受けた数々の性的嫌がらせを告発したことがきっかけで活性化。ワインスタイン被告は2020年3月、禁錮23年の実刑が言い渡された。(フロントロウ編集部)