海外で「米ぬか」が大ブーム
米ぬかとは、玄米を精米するときに発生する米の種皮や胚の部分の粉のこと。玄米の9割以上の栄養素が含まれているとされ、非常に栄養価が高いことで知られている。
日本では、昔から“米ぬかをかき混ぜる人の手は美しい”と言われているように、米ぬかにはさまざまな美肌効果があるとされており、食べてよし、肌につけてもよしと、まさに良いこと尽くし!
そんな日本由来の素材である「米ぬか」が、いま話題のスキンケア成分として世界中から注目を集めている。
日本人も意外と知らない「米ぬか」の魅力
スキンセラピストのサマンサ・ミムズによると、米ぬかは、多種多様な用途で使われ、身体、髪、肌などにさまざまな効果をもたらしてくれる。その汎用性の高さと確かな品質から、スキンケア成分として取り入れるブランドが増えているそう。
サマンサは「米ぬかには、ビタミンEやC、スクワラン、セラミドなどの抗酸化物質が豊富に含まれており、小じわの改善や肌のトーンアップなどエイジングケアに効果が期待される」と米Coveteurでコメント。肌を効率的にうるおす効果もあるため、秋冬のスキンケアに取り入れることもオススメだという。
また、米ぬかから抽出される「米ぬか油(ライスブランオイル)」は、ニキビができにくいノンコメドジェニック(※)なので、脂性肌や混合肌の人でも、安心して使用することができるのも嬉しいところ。
※ノンコメドジェニックとは…肌荒れのもとになりにくいことを確認するノンコメドジェニックテストを済ませている化粧品。すべての人に当てはまるわけではないので注意。
さらに、サマンサは「米ぬかに含まれる成分は、頭皮環境を整えることにも効果的。髪に(米ぬか油を)使えば、より強くて健康的でしなやかな髪にしてくれる」と説明。肌への刺激が少ない成分なので、頭皮や髪を傷めることもないと話している。
米ぬかを取り入れた人気コスメ3選
そんな米ぬかを使用したスキンケア製品のなかでも、海外のビューティー好きから支持される人気のアイテムを3つご紹介。
1つめは、日本にインスパイアされたアメリカ発の和風コスメTatchaの保湿クリーム「ザ デューイ スキン クリーム」。
TatchaのCMOであるサラ・カーティス・ヘンリー氏によると、この保湿クリームを作るのに1ダース以上の米ぬかを使用しているそうで、肌にうるおいとハリを与え、健康的な美肌に整えてくれる。人気セレブのセレーナ・ゴメスが愛用するクリームとしても知られている。
2つめは、米ナチュラルスキンケアブランドanokhaの「ライスブラン&ポメグレネート フェイシャル クレンジングオイル」。
米ぬかがもつ抗炎症作用、肌へのなじみやすさ、そして赤ちゃんにも使える肌への優しさから、クレンジングオイルとして米ぬか油を採用。
同ブランドの創業者である皮膚科医のニーナ・S・ナイドゥ医師は「はじめは、南アジアの食材に重点を置いてきたが、もっと世界的な視野を考えて2019年にブランドを一新したとき、日本の美意識が自然と私たちに語りかけてきた」と明かしている。
3つめは、カナダ発のサステイナブル・スキンケアブランドStevie Foxの「ボンディ ベイブ ビーチ グローオイル」。
同ブランドの創業者であるリサ・チェリー氏は「米ぬか油は、米の廃棄される部分をアップサイクルして作られるオイルなので、その魅力にすぐに引き付けられた」とコメント。また、リサは「その美肌効果にも強く惹かれた。内側から簡単に、素早く、そして効果的に輝きをもたらしてくれる」とのこと
ちなみに、Stevie Foxは原料を日本から輸送する際の二酸化炭素排出量を抑えるため、カナダ国内で米ぬかを収穫しているそう。
海外からも大注目される日本由来の素材である「米ぬか」。日本でも米ぬかをスキンケアやコスメ使用したものは多いので、気になる人はチェックしてみて。(フロントロウ編集部)