クリス・エヴァンス的ヒーローとは?
MCU作品で“キャップ”ことキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンスが、自身が運営するウェブサイトA Starting Point(ア・スターティング・ポイント)の共同創設者であるマーク・カッセンとともに、4人の若者達とビデオチャットを開催した。
クリスとマークによるア・スターティング・ポイントは、政治に関する話題を分かりやすくまとめたサイトで、よくある政治の質問に2分間で答える動画(Starting Points)と、政治家が伝えたい政治的問題について話す動画(DailyPoints)、異なる意見を持った2人の政治家が交互に意見を述べあう動画(Counterpoints)という、3つのセクションに分かれている。
ア・スターティング・ポイントの公式インスタグラムより。
クリスとマークと話した若者達は、11月3日に向けたアメリカ大統領選挙に向けて、前回2016年よりも政治に参加する姿勢を見せる若者が増えていると話した。4人によると、人種や性別間の不公平、社会福祉、環境問題などが話のトピックになるという。するとそれを聞いていたクリスは大喜びで、こんなメッセージを送った。
「毎回、君達と話すと刺激を受けるよ。次世代が深く考えていてモチベーションを持っていると知ることは、僕にも自信を与えてくれるんだよ本当に。すごく素晴らしい。その姿勢でいてほしい。僕達には君達が必要だから。君達に会えて良かった。良い行動を続けて。君達は僕のヒーローだよ」
マーベルヒーローのクリスも、これからを担う若者達の姿勢には、自分達が暮らす社会について考える若者達こそがヒーローだと称賛せずにはいられなかったよう。
多くのセレブが投票を呼びかけるアメリカ大統領選
アメリカの大統領選挙は、その独特のシステムが批判を浴びることも多い。アメリカ大統領選では、有権者からの得票数ではなく、選挙人からの得票数が勝敗を決める。
選挙人票の総数は538票なので、当選するには270票を獲得する必要がある。選挙人は、50州に連邦議会上下両院に有する議席と同数が、そして首都ワシントンには3人が割り当てわれている。例えば有権者が多いカリフォルニア州は55人、ニューヨーク州が29人で、少ないところではアラスカ州で3人。そして各州の選挙人の票は、1番多く票を集めた候補者が「総取り」できることがトリッキーなポイント。
2016年の大統領選では、一般投票においてヒラリー・クリントン氏が約6,553票、ドナルド・トランプ氏が約6,285票で、ヒラリー氏のほうがトランプ氏より260万票以上も獲得していた。しかし、その結果を受けて行なわれた選挙人票では、クリントン氏が227票、トランプ氏が304票となり、トランプ政権が誕生した。
民主党が強い州、共和党が強い州は比較的明らかなため、どちらに振るか分からない「揺れる州(Swing state)」がカギとなる。2016年には、投票人29人がいるフロリダ州、15人がいるノースカロライナ州、18人がいるオハイオ州などでトランプ氏が勝利したことが、選挙結果に大きな影響を与えた。そのうちフロリダ州とオハイオ州ではその差は4%以下と僅差だったため、前回選挙に参加しなかった全体の44.3%もの人がもう少しだけでも投票に行っていたら結果が変わっていた可能性は大いにある。
世界的に見てもその言動や行動に批判が多いトランプ氏に対しては、例えばカントリーシンガーとしてそのキャリアをスタートさせたテイラー・スウィフトが「落選させてみせる」と発言したほど。そしてそのために投票の重要さを訴える呼びかけは若い世代の間でも高まっており、まだ投票権を持たないトム・クルーズとケイティ・ホームズの娘である14歳のスリ・クルーズも、投票を呼びかけた。
トランプ政権は、米国郵政公社「USPS(United States Postal Service)」のコスト削減のためと称し、現在は中止されたものの、郵便ポストの撤去や配達サービスの縮小などを行ない、結果的に郵便投票を妨害するというとんでもない行動を起こした。しかし今回の早期投票数はすでに前回の早期投票数の総数を上回っており、4,753万票を超えた。また、10月初めには米CNNの予測で、ジョー・バイデン氏の優勢またはバイデン氏寄りの州の選挙人の合計が290人となり、過半数を超えた。2020年のアメリカ大統領選挙には、世界中の注目が集まっている。(フロントロウ編集部)