アンジェリーナ・ジョリーが、家庭内暴力(DV)に悩む女性や、その友人や家族にメッセージを送った。(フロントロウ編集部)

家庭内暴力(DV)は深刻な社会問題

 新型コロナウイルスの影響によって、家庭内暴力(DV)の被害件数が増加している。今年9月に国連がまとめた報告によると、性別にもとづく暴力を受ける女性や少女の数は、ロックダウンによって3ヵ月ごとに通常より1,500万人増加する可能性がある。

 しかし、新型コロナウイルスが発生する前から、女性への家庭内暴力は深刻だった。4月にUN Womenがまとめた報告では、4月から過去12ヵ月で親しいパートナーから暴力を受けた女性や少女の数は2億4,300万人にのぼる。しかし、そのうちの40%が暴力を通報したり、助けを求めたりしていない。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務め、これまでに様々な人道活動を行なってきた俳優のアンジェリーナ・ジョリーは、10月に米Timeに寄稿した文章のなかで、「これらの問題は、すべてが新型コロナウイルスのせいだと責めることはできません。ウイルスは社会における不平等を生じさせましたが、それを作り上げたわけではありません。不公平な法やシステム、そして人種や社会の不平等には、ウイルスではなく人間に責任があるのです。新型コロナウイルスは、私達が自分たちで直さなかったすべてのことに対する最新の言い訳にすぎません」と、家庭内暴力被害の増加は人間の責任であると叱責した。

画像: 家庭内暴力(DV)は深刻な社会問題

DVに悩む女性へアンジェリーナがメッセージ

 そんなアンジェリーナが、英Harpers Bazaarのインタビューに応じた。「人々は多くの場合、暴力を見たがりません。それが自分の目の前で起こっている時ですらね。そっちのほうが簡単だから」と話す彼女は、家庭内暴力の被害者から相談された時に取るべき行動をアドバイスした。

 「それを真剣に捉えて、彼女たちの味方になって。彼女たちの話を聞き、批判はしない。彼女たちが直面しているであろう大きな法的な、経済的な、そして心的なプレッシャーを理解するよう努力して。あと、彼女たちには何が起きたかについて口を閉ざしてしまうというプレッシャーもあるでしょう。彼女たちが、トラウマやPTSDに苦しんでいるという可能性も理解しておくように」

 さらに、クリスマスや年末年始などの長期休暇中に、家庭内暴力が激化する可能性もある。その恐怖を抱える被害者に向けて、このようにメッセージを送った。

 「誰かに話して。味方を見つけて。緊急事態に備えて。例えば、緊急事態に直面していると分かる秘密の言葉を友人や家族と決めておくといいかもしれない。ネットワークを作って、知識を増やして。これは悲しいことだけれど、すべての友人や家族がいつでもあなたを信じてくれて、サポートしてくれるとはかぎらない。他人が助けてくれることも多い。もしくは、他の被害者やサポートグループ、団体かもしれない。なによりも、気をつけて。自分の危険を本当に分かっているのは自分しかいない。そして外部からのサポートを見つけるまでは、1人ぼっちだと感じるかもしれない」

悩みを抱えて相談を必要としている方へ
■性暴力被害ワンストップ支援センター
性犯罪・性被害についての各都道府県の相談窓口。
窓口のリストはコチラ
■女性の人権ホットライン
配偶者やパートナーからの暴力、職場でのセクハラやストーカー、イジメなど、女性の人権トラブルの相談を受けつける法務省の専用窓口。
0570-070-810(8:30~17:15)

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.