マーベル・スタジオのオリジナルドラマ『ワンダヴィジョン』でヴィジョンを演じている俳優のポール・ベタニーが、セクシャリティに葛藤を抱えていた父親が自身の子育てに与えた影響について語った。(フロントロウ編集部)

3人の子を持つポール・ベタニー

 1月15日よりDisney+ (ディズニープラス)で配信がスタートしたマーベル・スタジオのオリジナルドラマ『ワンダヴィジョン』でヴィジョンを演じている俳優のポール・ベタニー(49)は、プライベートでは3人の子供を持つ父親。

 ポールは、2001年に公開された映画『ビューティフル・マインド』で共演した俳優のジェニファー・コネリー(50)と2003年に結婚し、2人の間には、ジェニファーと前夫との間に生まれたカイ(23)と、ステラン(17)の2人の息子と、娘のアグネス(9)がいる。

画像: 3人の子を持つポール・ベタニー

 今回、米Peopleのインタビューに応じたポールはそのなかで、「結婚と子供たちが僕を変えたんだ」とした上で、「僕という人や、僕の目標が変わることになったんだよ」と、結婚して子供を持ったことで人生についての考え方が変わったことを明かしたのだけれど、子育てにおいては、自身の父親が抱えていたセクシャリティへの葛藤が大きな影響を与えているという。

父親のセクシャリティが子育てに与えた影響

 ポールはインタビューのなかで、自身の母親と離婚をした後に20年にわたって男性と交際した自身の父親について、「父親の何が気の毒だったかって、父は最後にはクローゼットに閉じこもってしまっていた(※)ということでね。それを見るのはツラいものがあったよ」と振り返り、同性愛者であることを周囲に秘密にしていた父親を見て、心苦しさを感じていた過去を打ち明けた。

※“押入れ”を意味する「クローゼット」という言葉は、自分自身のセクシャリティを周囲に秘密にする意味もあり、ここではその意味で使われている。

画像: 父親のセクシャリティが子育てに与えた影響

 「父のカトリックへの信仰の強さを感じたよ。父は(男性を愛することを)恥だと感じてしまって、自分のパートナーのことをきちんと悲しむことができなかったんだ」とポールは続けている。

 2020年10月にローマ国際映画祭で初上映されたドキュメンタリー映画『Francesco(原題)』のなかで、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、同性カップルの結婚をサポートするための法整備を呼びかけるなど、今でこそ同性愛への偏見をなくそうという動きが出てきているものの、カトリック教会において、同性愛は長らく「客観的な逸脱」と見なされてきた。

 カトリック教徒である父親が抱えていた自分自身のセクシャリティとの葛藤は、今のポールの子育てに大きな影響を与えているといい、「自分の子供たちには、すべての人たちについても同じだけれど、自分たちらしく生きてほしいと思う」とポールは米Peopleに語っている。「それがどんなに難しくても、自分ではない人のフリをするよりは遥かに良いと思うからね」。

 ポールは「決めつけることをしない」ことこそが強さだと感じているとした上で、「僕の子供たちも同じだと思っている」と語り、子供たちには、あらゆる人たちの自分らしさを肯定するような教育をしていると明かした。(フロントロウ編集部)

※公開後、記事を修正致しました。

 

 

This article is a sponsored article by
''.