フランシスコ教皇が同性婚に賛同
現地時間10月21日に、ローマ国際映画祭で初上映されたドキュメンタリー映画『Francesco(原題)』のなかで、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、同性カップルの結婚をサポートするための法整備を呼びかけた。
「私達が持たなければいけないのは、彼らを法律でカバーするシビル・ユニオンの法律です」
シビル・ユニオンは、同性間の結婚を法的に認めるポートナーシップ制度を指す言葉。同性愛者もゆくゆくは異性愛者と同じ結婚の権利が認められることが求められているものの、シビル・ユニオンはそれに向けた大きな一歩。とくに、同性愛を「客観的な逸脱」と見なしてきたローマ・カトリック教会の長であるフランシスコ教皇がそれを支持したことは大きい。
フランシスコ教皇の前任である第265代ローマ教皇ベネディクト16世は、同性愛を「内在的なモラルの悪魔」と話した。しかしフランシスコ教皇は、映画の中でこう話している。
「同性愛者の人々にも家族になる権利がある。彼らも神の子供達です。誰しもが投げ出されて惨めになるべきではない」
同性愛者を肯定してきたフランシスコ教皇
フランシスコ教皇は、これまでも同性愛者をサポートする姿勢を見せてきた。2018年には、チリのカトリック聖職者らによる性的虐待問題を受け、バチカンで虐待被害者の1人と面会。男性が同性愛者であることを打ち明けると、フランシスコ教皇はこう答えたと男性が明かしている。
「あなたがゲイであることは問題ではありません。神はあなたをそういう風に創り、そのままのあなたを愛していて、私は気にしません。教皇はそのようなあなたを愛しています。あなたは自分自身でいることを喜びなさい」
また2020年9月には、同性愛者の子供を持つ親達と面会し、こんな言葉を送った。
「神はあなた達の子供の、ありのままを愛しています。教皇もありのままの子供達を愛しています。なぜなら、彼らは神の子供達ですから」
かねてより、教会はLGBTQ+コミュニティにもオープンであるべきだという姿勢を見せていることで知られるイエズス会のジェイムズ・マーティン神父は、ありのままの個人をサポートする姿勢だったフランシスコ教皇が、法整備を呼びかけたことは大きな一歩だと米Washington Postに話した。
「教皇として、フランシスコ教皇がこれほど明確なコメントをしたのは初めてのことです。これは大きな一歩となるでしょう。過去には、シビル・ユニオンですら各地の教会から反対されてきました。教皇は同性間におけるシビル・ユニオンの法律のために力を入れています」
(フロントロウ編集部)