『ワイルド・スピード』1作目の監督として知られるロブ・コーエンが、ふたたびレイプ加害を告発された。(フロントロウ編集部)

ロブ・コーエンに対する3度目の告発

 映画『ワイルド・スピード』1作目や『トリプルX』、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』などの監督として知られるロブ・コーエンが、ふたたび性暴力加害を告発された。

 今回ロブを告発したのは、『トリプルX』でイレーナを演じたイタリア人俳優のアーシア・アルジェント。

画像: 『トリプルX』のアーシア・アルジェント。ⓒREVOLUTION STUDIOS/ORIGINAL FILMS / Album/Newscom

『トリプルX』のアーシア・アルジェント。ⓒREVOLUTION STUDIOS/ORIGINAL FILMS / Album/Newscom

 2002年に行なわれた『トリプルX』の撮影中に起こった出来事について、イタリアの新聞紙Il Corriere della Seraによるインタビューで、「コーエンについて話すのは初めてですね。彼に性暴力をふるわれたんです。合成麻薬を飲まされた。彼はボトルでそれを持っていた」と話したアーシアは、「当時はよく分からなかった。朝起きたら裸で、彼のベッドにいた」と続けた。

 アーシアが触れた合成麻薬は、80年代には手軽に手に入るものであったものの、色や匂いがなく、人を眠らせ、さらに短時間の記憶が無くなる副作用があることから、デートレイプに使われやすいとして問題になった。現在では、例えばオーストラリアでは違法薬物となっている。

 アーシアも、当時何が起きたのか確信が持てなかったそうだけれど、「あとになって、友達がその物質(合成麻薬)について気づかせてくれて理解した」と、トーク番組『Verissimo』で語った。アーシアがロブから受けた経験は、イタリアで1月に発売された彼女の自伝で言及されている。

ロブ・コーエン、娘などから性加害を告発されていた

 アーシアは、超大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる数々の性加害を告発し、映像業界における女性たちへの性加害に声をあげるMeToo運動の広がりに大きな役割を担った1人として知られる。そんな彼女だけれど、「別の嵐を作り出したくなかった」ことが理由で、これまでロブからの被害は明かしてこなかったという。

 しかし2019年に、2人の女性がロブの性加害を告発したことで、自分も声をあげることにしたという。被害を告白したうちの1人は、ロブの実の娘である。

 トランスジェンダー女性のヴァルキリー・ウェザーは10代の頃に父親であるロブから性的暴行を受け、さらには、タイやチェコへ旅行した際に風俗店に連れていかれたと告発した。彼女の告発の数ヵ月後には、ジェーンという仮名の女性が、米HuffPostでレイプ被害を告発。ビジネスミーティングの後の飲み会でお酒を飲んでいたところ、感覚がぼやけだし、嘔吐したけれど、裸のロブが彼女の体を触っていたという。ジェーンはその後、性感染症の検査のためにクリニックを訪れ、性的暴行の被害者としての治療が必要という診断が正式に下された。

 ロブはこの2件はウソであると主張。アーシアの件についてはコメントしていないが、彼の代理人は事実を否定している。2000年代初頭、ロブはヴァルキリーの母親と離婚する際に親権裁判で虐待があったことを母親側から指摘されたが、裁判を経て、自分に親権が認められたと発表している。

 一方でアーシアは、MeToo運動の渦中に、過去に親子を演じた元子役ジミー・ベネットから性的暴行を告発されたことがある。ジミーは、それが起こったのは当時17歳の頃だったとし、米カリフォルニア州では性交同意年齢が18歳であるため、犯罪となる。アーシアは最後までジミーと性的な関係を持ったことはないと主張しており、和解金は当時のアーシアのパートナーである故アンソニー・ボーディンが支払ったとされている。(フロントロウ編集部)

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