無期限で契約停止となったモーガン・ウォレン
今月初め、カントリーシンガーのモーガン・ウォレン(27)が人種差別用語を使用している映像が報道され、問題に。米TMZが入手したモーガンの映像には、テネシー州ナッシュヴィルの自宅で友人たちと夜に大声で話しているモーガンの姿が映っており、モーガンはそこで、友人に対して黒人への人種差別用語であるNワードを使用していた。
モーガンは米TMZの取材に対し、Nワードを使用していたことを認めて、「恥ずかしさと共に、申し訳なさを感じています」と謝罪。しかしながら、モーガンがここ数ヶ月の間に問題を起こしたのはこの時が初めてではなく、2020年10月には、米大人気バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』への出演が決まっていた直前に、新型コロナウイルスの感染防止のための規制に違反し、バーでパーティーをして複数の女性にキスをしていたとして、番組への出演が延期となっていた。
モーガンの所属レーベルであるリパブリック・レコード傘下のビッグ・ラウド・レコードは米現地時間2月3日、人種差別用語を使用したモーガンの言動を問題視し、彼との契約を無期限停止とすることを発表。リパブリック・レコードはビッグ・ラウドの決断を全面的に支持し、そのような振る舞いは看過されるべきでない(という表明)に同意します」と声明を発表した。
また、モーガンは全米の数百のラジオ局で彼の楽曲が放送禁止となったほか、アカデミー・オブ・カントリー・ミュージック・アワード(ACM)は第56回となる今年の授賞式の対象からモーガンを除外することを発表した。
“僕を擁護しないで”とモーガン
レーベルとの契約が無期限停止となり、ラジオ局で楽曲が放送禁止となったことを受けても、一部のファンは継続してモーガンを応援。彼の楽曲を聴き続け、米Billboardによれば。最新作『Dangerous: The Double Album(デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム)』の売り上げは米現地時間2月4日までの集計で前週から14%伸びたという。
そうしたなか、今回モーガンがインスタグラムに謝罪の動画を投稿。「少しの間インターネットから離れることにして、良い決断をできるように務めることに決めたんだ。自分がしてしまった過ちをすべて償うことができるかは分からないけど、そうできるように間違いなく努力していく」とした上で、自身を応援してくれているファンに向けて次のように呼びかけた。
「お願いが1つあるんだ。僕に何かを見出してくれて、僕を擁護してくれる人たちには感謝してる。だけど今日は、どうか止めてほしい。僕は間違っていたんだ。僕はこれを受け入れるべきだし、いかなるペナルティも受ける。復帰できるタイミングは僕次第だし、僕自身の取り組みにかかっている。僕の周囲には今も助けようとしてくれる優しい人たちがいる、みんなが思っている以上に僕はみんなに感謝しているんだ」。
「僕が学んだことで特に申し訳なく思っていることは、僕の言葉は力を持っているということ。言葉は誰かをすごく傷つけてしまいかねない。僕の本心では、それは許せないことなんだ」とモーガンは動画のなかで語っている。
モーガンによれば、彼は黒人のコミュニティの人たちと話し合いの場を設けたといい、「今週、僕は黒人の人たちから直接話を聞いたけど、正直、ショックを受けた。僕が今週経験していることが、彼らから聞いた苦難とは比べものにならないことも分かっている。僕は彼らとの会話を通じて、彼らを深くすることができたし、自分の言葉の重みもより理解できた」とした上で、「違う状況でこのことを学べていたらと思うけど、この(学びの)プロセスを始められたことを嬉しく思っている」と、自分の言葉が黒人の人々を傷つけてしまったことを学ぶことができたのはよかったと振り返った。(フロントロウ編集部)