ヘンリー王子、友人司会のバラエティ番組で本音炸裂
イギリス王室の高位王族への復帰の意思はなく、今後は王室とは距離を置いて独自に社会奉仕活動を行なっていくことを先日発表したばかりのヘンリー王子が、米人気バラエティ番組『レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン』(以下『レイト×2ショー』)に出演。
プライベートで親しくしており、2018年の妻メーガン妃とのロイヤルウェディングにも出席したイギリス出身のコメディアンのジェームズ・コーデンがホストとあり、かなり砕けた雰囲気で進んだ約17分間のセグメントのなかで、ヘンリー王子は、王室離脱からメーガン妃と長男アーチーとのロサンゼルスでの新生活、王室メンバーとの最近の交流の様子など、さまざまな話題について、これまでにないほど饒舌にざっくばらんに赤裸々トーク。
そのなかで、Netflixで配信されている英王室を題材にした大ヒットドラマシリーズ『ザ・クラウン』の“いち視聴者”であることを明かし、本音をぶっちゃけた。
『ザ・クラウン』について思うこと
ご存じの方も多いと思うが、『ザ・クラウン』は、エリザベス女王を主人公に英国王室の裏側やイギリス社会の移り変わりを描いた作品。
現代人の記憶に残る、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の結婚式や夫婦生活にもふれたシーズン4では、オリヴィア・コールマン(エリザベス女王役)やヘレナ・ボナムカーター(マーガレット王女)、ジリアン・アンダーソン(サッチャー首相)、エマ・コリン(ダイアナ元妃)といった実力派俳優たちが実在するロイヤルファミリーや政治家たちを演じ、配信初週の視聴者数が1981年に開催された実際のチャールズ皇太子とダイアナ元妃のロイヤルウェディングを凌ぐ、2900万世帯を突破するという驚異の記録を叩き出した。
ゴールデン・グローブ賞や放送映画批評家協会賞(Critics Choice Awards)といった、アカデミー賞の前哨戦と呼ばれるアワードで最多ノミネートを果たし、圧倒的な強さを見せつけている『ザ・クラウン』。
Netflixは、視聴者の理解と判断に委ね、あえて「フィクション」だという注意書きを添えていないが、実際に起きた歴史的な出来事をベースに脚色したフィクションである同作について、英王室のメンバーや関係者の中にはあまり良い印象を抱いていない人物もいると言われている。
そんななか、『レイト×2ショー』で『ザ・クラウン』に関して話題を振られると、ヘンリー王子は、個人的にはまったくネガティブな印象は持っていないことを告白。
「あの作品は別に(世間が知らない)新しい情報を伝えるフリをしているわけじゃないからね。フィクションだけど、事実に大まかに基づいている。厳密に正確というわけではないけど」。
そう、フィクションだと強調しつつ、「あのドラマは、家族よりも何よりも義務や奉仕を優先しなくてはならないというプレッシャーや、それによって訪れる結果とか、王室のライフスタイルがどういうものかという、ざっくりとしたアイディアを与えてくれる」と『ザ・クラウン』が表現しているロイヤルファミリーの苦悩や葛藤は、あながち完全なる脚色というわけでもないと示唆した。
ドラマよりも現実のほうが厳しい
『ザ・クラウン』について、自分としては、とくに文句はないと明かしたヘンリー王子は、こうも語っている。
「自分の家族や妻、そして自分自身について、(週刊誌やタブロイドに)あれこれ書かれる事と比べたら『ザ・クラウン』のほうがずっと良いよ。ドラマはフィクションだから、好きなように解釈してもらって構わないけど、ニュースになり得る存在だからと言って、事実ではないことを事実として報じられるのは、僕は黙っていられない」。
同じ番組内で、王室と距離を置くことにした本当の理由について「僕らは(王室から)逃げ出したというわけでは決してない。身を引いたんだ。地位を降りたわけでもない。解かってもらえるかな。多くの人たちが目の当たりにした通り、本当に困難な環境だった」と、初めて自らの口で語ったヘンリー王子。
「イギリスのメディアがどんなものかは、みなさんもご存じだと思うけど、僕のメンタルヘルスは崩壊しかけていた。『これは有害すぎる』僕はそう思った。だから、夫として父親として当然のことをした。『自分の家族をここから脱出させなくちゃ』って。でも、僕らは逃げたわけじゃない。あちら側でどんな決断が下されたとしても、僕はこれからも決して逃げたりしない。ずっと貢献し続けていくつもりだよ。ただ、僕の人生は公益に捧げるもの。だから、世界中のどこにいたって結果は変わらないんだ」。
『ザ・クラウン』で自分を演じて欲しいのはあの俳優
ヘンリー王子は、『ザ・クラウン』で今後、自分のキャラクターが登場することがあったら、どの俳優にその役を演じて欲しいかにも言及。
「ダニエル・ルイスかな」と即答していたが、これはヘンリー王子のうっかりミスで、ドラマ『HOMELAND/ホームランド』や『ビリオンズ』で知られるダミアン・ルイスと言いたかったよう。
自身と同じく赤毛がお馴染みのダミアンをチョイスしたヘンリー王子に、ジェームズも「素晴らしいチョイスだね!」と賛同。「じゃあ、君をダミアン・ルイスが演じて、僕がウィリアム王子を演じれば、最高のキャスティングだね」とジョークを飛ばすと、ヘンリー王子は、絶妙な表情を浮かべながら「最高ではないけど、まあそれも1つのキャスティングだね」と答えて笑いを誘っていた。
ヘンリー王子が出演したセグメントは、ジェームズがロサンゼルスの名所を案内するという形式で進行。ヘンリー王子が意外にも初だというダブルデッカー(2階建てバス)に乗り、じつはファンだというウィル・スミス主演のシットコム『ベルエアのフレッシュ・プリンス』で使われた邸宅を訪れたり、最後には、なぜか障害物競争に挑戦したりする盛りだくさんな内容で、途中、メーガン妃がフェイスタイム越しにちょこっと出演する場面も。その模様は、下の動画で全編視聴できる。
(フロントロウ編集部)