グラミー賞がきっかけで「WAP」への批判が再燃
元ストリッパーという異色の経歴を持つ人気ラッパーのカーディ・Bが、現地時間3月14日に開催されたグラミー賞授賞式で披露した「WAP」のパフォーマンスをめぐって賛否両論が巻き起こっている。
カーディの代表曲のひとつである「WAP」は、日本語で「濡れたアソコ」という意味の「Wet Ass Pussy」の頭文字を取ったタイトルと歌詞の内容が「卑猥すぎる」として、一部の人たちの怒りを買うなど色々と物議を醸したことで知られる。その一方で、女性がセックスを楽しむことを歌う“セックス・ポジティブ”な楽曲である「WAP」には、フェミニズム的な観点から肯定する声も多く、女性を鼓舞するエンパワメントソングとして支持を集めている。
リリースからすでに半年以上が経過していることもあって、最近は「WAP」に対する批判は下火になっていたが、グラミー賞でのパフォーマンスがきっかけで再び議論の的に。曲中に何度も出てくる「Wet Ass Pussy(濡れたアソコ)」というフレーズを「Wet Wet Wet」と言い換えることで放送条件はクリアしたものの、国内だけでなく世界的に注目度の高いグラミー賞授賞式の中継で性がテーマの「WAP」が流れたことに、TVコメンテーターであるキャンディス・オーウェンズを中心とする保守系の人たちから強い反発を招いた。
“子供に悪影響”という批判にカーディが本音を吐露
「WAP」が子供に悪影響を与えることを心配する人のなかには、カーディが2歳の子供カルチャーに「WAP」を聞かせないようにしている件を蒸し返して、「自分の娘には聞かせられない曲のどこが女性のエンパワメントソングなの?(子供に悪影響じゃないなら)なんで自分の娘に聞かせないわけ?」と、インスタグラムのコメント欄を通じて噛みつく者も。
以前、“女性へのアンセム”として支持される「WAP」を、自分の娘に聞かせることを禁ずるのは「矛盾してる」と指摘された際、「私は子供たちのために音楽を作ってるんじゃなくて、大人たちのために作ってるの。そして、子供が何を聞いて何を見るかは親の責任。私は性的にアクティブだけど、子供の前でそれを見せることはない。ほかの親たちがそうであるようにね」と猛反論していたカーディは、先ほどのファンからのコメントにこう返信している。
「私の娘は音楽を聞かなくてもパワーを得ることができる。子供たちにパワーを与える唯一の方法は、子供たちとちゃんと話をして、自信を持たせ、良い教育を受けさせることだと思う。そもそも私は『WAP』が女性を鼓舞するために作られたとはひと言も言ってない。私はただの変人で、この曲は初めて作られたセックスソングでもない。セレブにおたくの子供の子育てを期待するのはやめて」
(フロントロウ編集部)