ナタリー・ポートマンが、物語の制作者として、現代における女性の描き方の問題点を指摘。レプリゼンテーションの重要性を語った。(フロントロウ編集部)

ナタリー・ポートマンが語るレプリゼンテーション

 映画『ブラック・スワン』や『スター・ウォーズ』シリーズなどで有名な俳優でもあるナタリー・ポートマンは、文筆家としての一面も持っている。そんな彼女は、2020年に絵本『Natalie Portman’s Fables』を発表した。

 『3匹の子豚』、『ウサギとカメ』、『田舎のネズミと町のネズミ』を現代的に書き直した本作を制作した理由について、ナタリーは、「昔からの物語には、圧倒的に男性が多いことに気がついて、娘のために(古典的な)物語を生き残らせたかった」と語っている。

画像: ナタリー・ポートマンが語るレプリゼンテーション

 そんな彼女は、絵本の制作者として、また俳優として、物語のなかに女性キャラクターを増やすだけでは制作者としての努力は足りないと、英Hello!のインタビューで指摘する。

 「原作本の多くで代名詞を変えた。なぜなら、現実と合わず、圧倒的に男性キャラクターばっかりだったから。すべての本や映画は、性別について歪んだ割り当てをせず、この世界を表すべき。男の子たちは、女性には多くの機会が開かれていることを見て、彼女たちはどう考えどう感じるのか、彼女たちはどのような世界を生きているのかを考える必要がある。そして、(作品の中の)女性たちは、ただかっこいい戦士だったり、強かったり、自信があったりするだけでは足りない。自分を疑ったり、ミスをしたりする(女性)キャラクターも必要でしょう。なぜなら、みんな間違うし、私たちは人間なんだから」

ナタリー・ポートマン、女性の理想化に意見

 様々な性別や人種の人々を、様々な性格で描くこと。その重要性は「レプリゼンテーション」と呼ばれて認識されている。これまで多くの人達が声をあげてきてくれたおかげで、女性をステレオタイプに描くことは減り、女性ヒーローも増えた。しかし、最終的には様々な女性像が描かれることが重要であると語るナタリーは、さらにこう続けた。

 「すごく多くの人が、『女性は男性より強いし、より良いリーダーだ』っていうようなことを言って、それがフェミニストな発言だと思ってるけど、それは理想化するために、女性を、すべての人を制限してるだけ」

画像: ナタリー・ポートマン、女性の理想化に意見

 女性は人間であり、様々な人がいる。女性は守られるべきもの、といったステレオタイプな描き方ではなく、強い女性キャラクターが増えているのは喜ぶべきこと。しかし今後はそれだけでなく、さらに様々な性格の人が、多様なキャラクターとして描かれていくことが求められている。(フロントロウ編集部)

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