ナタリー・ポートマンが、昔からある物語を現代にも合うように書き直した絵本を制作した理由について語った。(フロントロウ編集部)

ナタリー・ポートマンによる絵本

 映画『ブラック・スワン』や『スター・ウォーズ』シリーズで知られるナタリー・ポートマンが、絵本『Natalie Portman’s Fables』を2020年に発売した。この中でナタリーは、世界中の多くの人が知っている『3匹の子豚』、『ウサギとカメ』、『田舎のネズミと町のネズミ』を、現代的に書き直した。

 そんなナタリーは、現在MCU作品である『Thor: Love and Thunder(マイティ・ソー ラブ&サンダー)』の撮影のために、オーストラリアに滞在中。そして、女性版ソーになるためのトレーニングや撮影の合間をぬって、オーストラリアのトーク番組『The Project』に出演した。

昔からある物語の問題点

 司会者のリサ・ウィルキンソンとナタリーの話題は、『Natalie Portman’s Fables』のことに。そこでナタリーが明かしたところによると、彼女が絵本を制作しようと思った理由には、娘の存在があるという。

 「昔からの物語は、圧倒的に男性(のキャラクター)が多いことに気がついて、娘のために(古典的な)物語を生き残らせたかったの。クラシックなものも素晴らしいと思うから、娘にはそれらを知ってほしい。ただ同時に、より正しく世界を映したものも持ってほしかった」

画像: ナタリー・ポートマンと娘。

ナタリー・ポートマンと娘。

プリンセスの物語に苦言を呈すセレブは多い

 古典にある良さは認めたうえで、進み続ける時代において、今より女性が排除されていた過去の作品だけをそのまま娘に読ませることもしたくなかったと語るナタリー。そんな話を聞いていたリサも娘を育てているため、ナタリーの言葉に共感したよう。さらにリサが、娘に『シンデレラ』を読んだことがないと明かしたところ、ナタリーも共感から興奮した様子でこう答えた。

 「すべてのプリンセスの物語は本当に問題がある。靴にピッタリ合わなくてはいけなくて、しかも靴が合うのは1人だけ。一方で王子は昨日の夜に一緒に踊ったばかりの女の子の顔を覚えてない。それって、かなり侮辱的なだけじゃなくて、筋が通ってなさすぎでしょう!」

 ナタリーといえば、2018年の第75回ゴールデン・グローブ賞に、最優秀監督賞の受賞者を発表するプレゼンターとして参加。しかし監督賞に男性しかノミネートされていなかったことで、「Here are the all nominees(こちらが全員の候補者の方々です)」という定型文を、「Here are the all-male nominee(こちらが全員男性の候補者の方々です)」と、1つの言葉を加えただけで社会の女性差別に賢く鋭いジャブを打つ言葉に変えたことは有名。

 その発言について、「ノミネートされた男性監督たちが、それぞれ素晴らしい仕事をしたことは確かだし、彼らが悪いわけではない。ただ、なぜ一定のグループに属していない人々の功績がきちんと評価されないのだろうと疑問に思った」としていた。

 そんなナタリーが、古典をリメイクした新しい絵本を発表したことは、納得の展開といえる。

 ちなみにプリンセス作品については、ナタリーと似ていることでも有名な俳優のキーラ・ナイトレイも、娘に『シンデレラ』や『リトル・マーメイド』は見せない方針だったことで知られている。キーラは、その後娘にディズニー作品を見せるようになったそうだけれど、『眠れる森の美女』を見た娘が、「許可なしに男の人が彼女にキスするのは良くない!」と怒る様子を見て大感激したそう。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.